地方メディアで狙う統合戦略
前回のコラムで、「地方ではプライベートにおいてもビジネスにおいても、地縁血縁関係が重視され、その関係性をベースに地域社会の基本的な生活が営まれている。」と、書きました。
このことが、密な人間関係を形成し、かしこまった挨拶やビジネスマナーなどなくても商売や経営がうまくやれてきた要因となっていたのです。
しかし、時代は変わりました。
そんな緩い感覚では、到底まともなビジネスが維持できない世の中になってきたのです。
もっとしっかりとしたビジネス感覚を持ち合わせていなければこれからの商売や企業経営は成り立ちません。
とはいえ、これまで営々と営まれてきた地域社会での地縁血縁を重視する習慣を、完全に捨て去るなどということはできるはずもありません。
少なくとも、個人的な生活の場では、この関係性は色濃く残っていくものと考えられます。
問題はビジネスの世界なのです。
地縁血縁をベースに
「買ってくれたっていいじゃないか。もっと、助けてくれたっていいじゃないか・・・」
という、依存度の高い意識では通用しないのは自明の理です。
しかしながら、動いている経済そのものの規模が小さいために、地縁血縁関係者といえども他者を助ける余裕も余力も今は持ち合わせていません。
したがって、これまで以上にビジネスを回すためには、地縁血縁の外に出た関係性を築く必要があるのです。
と、ここまでは前回に書いた通りです。
私の中で、こんな風に問題点を指摘し、課題を抽出するところまではできたのですが、その解決策となるとかなりハードルは高くなります。
なにかいい方法はないものでしょうか。
そこで私は考えました。
地縁血縁関係を全く無視することなく、尚且つ新しい市場を開拓するようなうまい方法はないものか・・と。
その解決策の一つとして、自らチャレンジし、継続しているのが「地方メディアの有効活用」という方法論なのです。
地方メディアは、電波の届く範囲(テレビやラシオ)、決められた配布先(地方新聞、タウン誌等)といった意味で、限定された地元地域への情報提供を基盤としています。
したがって、これを利用し情報発信するという方法を採用しても、地元の地縁血縁の守備範囲を大きく外すということにはなりません。
それどころか、極めて狭い範囲の地縁血縁関係よりは、はるかに多くの地元生活者に情報を届けることができます。
地縁血縁者の範疇に入ってなかった地元の顧客候補も、こちら側の存在を知るところとなります。
この顧客候補者たちは、地元の企業や経営者から発せられた情報に親近感や安心感を覚え、無意識のうちに「地縁血縁者」に組み入れるところとなります。
情報発信が継続的なものとなれば、単なる広告宣伝を超えて、メディアの届く範囲で広く深く受け入れられるところとなるでしょう。
つまり、あらかじめ個人として持っていた狭い地縁血縁という枠組みを突破しながら、もう少し広い意味での地縁血縁関係を取り込んでいくという、地域に根差した極めて有効な販売促進策なのです。
この地方メディアの有効活用については、今後様々な角度からご紹介していきますので、引き続きこのコラムをご愛読いただければ幸いです。
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