マーケティング不在がもたらすもの
私は、東京で友人と立ち上げたマーケティングリサーチの会社を10年以上経営した経験を持っています。そこに一定の目途をつけ故郷である地方に帰ってきたとき「あれっ!?なんか違うな。」と感じたことがありました。
「昔のように商売が繁盛していないな。」ということはもちろんなのですが、それ以上に「こんなに商売がうまくいっていないにもかかわらず、商売をする側の意識がちっとも変っていないな。」ということでした。
これまで、20年にわたり250社以上中小企業の経営を支援してきましたが、基本的には今でもこの構造は変わっていません。
この「意識」が変わらないと、どういうことになるか。中小企業を支援するという立場から言えば、基本的な構造は次のようになります。
- 昭和に創業した経営者は強烈な成功体験を持っている。
- 平成、或いは21世紀に入ってビジネスの価値観が相当変わったにもかかわらず成功体験当時の意識を変えられないでいる。
- あれほどうまくいった商売が頭打ちどころか下降の一途をたどっている。
- 21世紀に入り、いよいよ世代交代の時期に入った。
- 後継者は基本的に先代の教えを学んでいるために現代のビジネス観に合わせられないでいる。
- にもかかわらず、後継者は学ぶべき対象を発見できずにいる。積極的に学ぼうという意識にも欠けている。
- 時に新しいチャレンジを行なおうとしても、昔に比べて経営環境が厳しい(人口減、購買力の低下等)上に、先代の理解を得られず挫折することが多い。
- 後継者は意欲を失い、惰性で商売を続けるのみとなる。
- 資金繰りの悪化、その他様々なマイナス要因により廃業を迎える。
悪い典型的な例を上げれば上記のような流れになるでしょうか。
これらの項目について、詳しく考察していきたいと思います。
東京で実務を通じて徹底的にマーケティングを追求してきた私には、この状況にもかかわらず、親子2代にわたって手をこまねいている、というのが何とも不思議な光景でした。
「昔のように売れないのであれば、何と言っても『マーケティング』の勉強だろう。いきなり『マーケティング』が難しいというなら『販売促進』への取り組みだろう。『販売促進』が大変というなら『売り込み』『営業』へのチャレンジだろう・・・とにかくこっちから積極的に顧客へとアプローチしていかなければ始まらないじゃないか。時代は変わったんだから。」
と思い、顧問先をはじめとする地元の経営者に、様々な提案や助言をしてきましたが、なかなか受け入れられません。
そこで、まずは自分から、と思い、様々な形で自らのマーケティングや販売促進にチャレンジしてきたのがこの20年です。
そんな中で私がコアなテーマにしてきたのは次の2点です。それは、
- 地方企業が持つ課題の抽出とその解決策の追求
- その解決策に応用できる最新情報の収集と実践
そのためにコンサルティング会社を2社設立し、東京をはじめ全国の専門家や優秀な経営者と交流、彼らから情報を収集し学習しました。またその内容を自らの事業経営に積極的に応用し、町の人口が半減した過疎地にもかかわらず、売上と事業規模を2倍にまで伸ばすことができたのです。
このコラムでは、私が自ら展開してきて、地方の中小企業にも十分応用できる販売促進の秘策や考え方を具体的な事例を交えながらご紹介していきたいと思います。
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