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第44話:目標達成できる社長とできない社長の違い

SPECIAL

導線経営コンサルタント

日本成長戦略研究所株式会社

代表取締役 

【非対面化・オンライン化・自動化】を組織の中枢として捉え、「集客から営業・販売」まで一気通貫で儲けを逃さない導線を設計し、「仕組み化」することで収益を最大化する経営手法を“導線経営”として体系化した第一人者。100名以下の中小企業を中心に「1年で売上2倍の仕組みづくり」を指導。

目標達成できる社長とできない社長の違い

「人生思い通りになる、人生思い通りにならない、どちらでしょうか?」年間100回を超える講演会・セミナーの中で、あるテーマでお話しさせて頂く際に必ずお訊ねしている質問です。およそ8〜9割の方が後者であるとお答えになりますが、私はこのどちらでもないと申し上げています。なぜなら、人生思い通りにしかならないからです。

ビジネスにおいて、私達は実に様々なプロジェクトと関わりますが、全てのプロジェクトには3つの要素が伴います。それが「プロジェクトの“QCD”」です。QCDはそれぞれ英単語の頭文字で、Q=Quality:内容・C=Cost:予算・D=Date:納期を意味しています。

これら3つの要素は「顧客満足のQCD」とも言われ、ラーメン屋に例えば、味が良い(Q)、値段が適当(C)、待ち時間が短い(D)という具合に置き換えられます。3つの要素のどれかひとつでも欠けてしまうと、顧客満足につながらないということがご理解頂けると思います。ありとあらゆる全てのプロジェクトにおいて、QCDはなくてはならない要素です。

そして、人生をひとつのプロジェクトとして捉えた時、そのプロジェクトの満足度を高めたいのであれば、“人生プロジェクト”にも“QCD”が不可欠になるわけです。ここでひとつ質問です。「貴方はご自身が関わっている“仕事プロジェクト”と自分の“人生プロジェクト”、どちらが大事ですか?」

中小企業の経営者に限らず、大手上場企業の役員・中間管理職・新入社員など、ありとあらゆる業種・業界・役職の方々に同じ質問をしましたが、自分の“人生プロジェクト”より“仕事プロジェクト”を優先するという人は一人もいません。

そこでさらに一歩踏み込んだ質問です。「数千万円・数億円…どんなに高額なプロジェクトよりも大切な自分の“人生プロジェクト”、ではその大切な自分の“人生プロジェクト”に明確なQCDを定めていますか?」ということです。このようにお訊ねすると、先程まで全員の手が上がっていたにも関わらず、途端に手が上がらなくなってしまうのです。

自分自身の“人生プロジェクト”に明確な“QCD”がない、要は自分の“人生プロジェクト”に軸がなければ、それは他人に左右される“人生プロジェクト”になってしまい、「人生思い通りにならない」となってしまうのは当然です。

このように「思い通りにならない」状態を打破する方法のひとつとして、「人生にもカーナビを設定してください」と申し上げています。全てのプロジェクトに“QCD”がある以上、車で目的地に行くのもプロジェクトであり、同じように“QCD”があります。

まだ見ぬ地に向かう時、カーナビを設定するからこそ、どのようなルートで(Q)、高速道路などを含めて予算はいくらで(C)、どのくらいの所要時間で(D)目的地に行けるのかがわかるわけです。わずか数時間のドライブであってもQCDを決めるわけですから、数十年に及ぶ“人生プロジェクト”という長旅であれば尚更カーナビが必要であり、QCDを設定しなければ、その過程で狂ってしまうことは容易に想像できます。

具体的には10年後の理想の自分・あるべき姿をイメージし、直近の3年後・1年後のイメージをより具体化します。そのイメージを12の目標(年間12ヶ月で月1つの目標)・4〜5つの目標(月間4〜5週で週1つの目標)・7つの目標(週7日で1日1つの目標)に落とし込むのです。憧れの人物や目標とする人を見つけ、そのギャップを探して埋めていくと良いでしょう。

「そんな細かいことはできない」という声が聞こえてきそうですが、1ヶ月の目標を達成できない人が1年の目標を達成できるはずはなく、1年の目標を達成できない人が数年後に理想の自分・あるべき姿になれるはずがありません。10段の跳び箱を飛べない人が15段の跳び箱を飛べるはずがないのです。

これが一般のビジネスマンであれば「自分株式会社」の経営だけで良いのですが、企業経営者・人の上に立つリーダーともなると話は別です。経営者であれば、しっかりとカーナビを設定し、自分の“人生プロジェクト”におけるQCDを明確にした上で、これを自社の経営戦略と重ね合わせることができなければ、目的を達成することはできないと言えます。なぜなら、経営戦略の定義が「目的達成のためのシナリオづくりと最適資源配分」であり、今まで解説してきたQCDに他ならないからです。

経営戦略の考え方を解説する前に、企業経営の根幹となる経営理念について下記の動画で確認してください。

 

経営理念_ミッション、ビジョン、バリュー

※動画の再生はこちら(成長戦略TV 第1回)

 

上記の動画で解説している現在地をY地点、1年後の理想の企業像・あるべき姿をZ’地点とした時、現在と未来のギャップを埋めるのが経営戦略であり、前述の通り「目的達成のためのシナリオづくりと最適資源配分」となるのです。

会社の目的達成を考えた時、いかに売上を上げるかは必須の課題です。「売上を上げるために、自社の商品・サービスの存在を、ありとあらゆる手段を用いて全力で見込客に伝えるべき」ということは今まで何度もお伝えしてきました。そして、経営戦略の定義にある「シナリオづくりと最適資源配分」という活動が、弊社の提唱する“導線経営(R)”のひとつ、webを徹底活用した「集客の仕組み化」になるのです。

先日も某経営者向けのセミナーで「Google社の提供する広告配信システム“アドワーズ”を自社で取り入れている企業様、もしくはご存知の方、挙手をお願いします。」とお訊ねしたところ、1人も手が挙がりませんでした。

さらに「facebookを使っている、もしくはご存知の方、挙手をお願いします。」とお訊ねすると、ほぼ全員の手が挙がりましたが、「ビジネスで集客・売上につなげられている方は?」とお尋ねすると、これまた皆無でした。

ネット集客・web集客に取り組んでいる、興味を持っていらっしゃる方であれば、当然のことながら知られている「アドワーズ」という言葉。このアドワーズという広告配信ツールを上手く活用することができれば、見込客の90%にリーチできると言っても過言ではないツールであり、“仕組み”です。にも関わらず、中小企業経営者の9割以上が知らないというのが実情ではないでしょうか。

これだけ環境が変わり、見込客の購買行動が変化した今、それに適合したツールや“仕組み”を構築することができなければ、競合他社に打ち勝ち、生き残っていくことはできません。“仕組み”は労力・時間をかけ自社で構築するか、労力・時間をかけずにお金で買うかのどちらかであり、経営において現状維持や現状放置という選択肢はありません

これらのことを踏まえ、事業成長に導く経営者として来年どのように舵を切るのか… 勘ではなく、経営戦略ありきで舵を切って欲しいと思う次第です。

※本コラムが今年最後の号となります。新年度のコラムは1/11(水)配信の予定です。良いお年をお迎えください。

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