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ノロウイルスの疑い、脅威から店を守る!

SPECIAL

出前・宅配コンサルタント

有限会社マクウェル

代表 

指導歴12年。これまでに118店舗で実績を上げてきた辣腕コンサルタント。各会社、店舗の状況にあわせ、確実に収益の上がるオリジナルの出前・宅配ビジネスづくりを指導。

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「おたくの寿司を食べたら、ノロウイルスに感染した。どうしてくれるんだ!」と、凄い剣幕で電話が掛かってきました。

電話を受けたアルバイトは相当びびっており、すぐに店長に代わりました。ここでパニックになってはいけませんし、この段階で謝ってしまうと店が過失を認めたことになってしまうので、店長はまずは深呼吸をして落ち着きます

そして、お客様にわざわざ連絡をしてくれたことに対してだけお詫びをし、状況を確認していきました。

「前日の夜、家族でお寿司を食べたところ、今朝、吐き気が強くて腹痛と下痢もひどいので、医者に診てもらったらノロウイルスに感染していた」とお客様は怒りを抑えているような声で話しています。

さらに詳しく「ご家族の方はいかがでしたか?」と聞いてみると、だれも腹痛を起こしていないと答えていただきました。

店長はこの2つの答えから、自店がノロウイルスの原因ではないと確信したのです。

その根拠は、2つあります。

1つめは、ノロウイルスにしては潜伏期間が短すぎるからです。

通常ノロウイルスは24~48時間後に発症するので、夜食べて翌朝にお腹が痛くなるのは潜伏時間が短すぎます。6時間~24時間後に発症するのであれば、単なる食中毒の可能性が高いのです。

2つめは、一緒に食べた家族の方に何も異常がなかったからです。

同じものを食べた家族がいれば、他の方が発症する可能性が高いのですが、今回はノロウイルスに感染したのはたった一人だけたっだのです。

このことを本人に伝えても怒りに火を注ぐだけなので、家族の方に伝えると納得はしていただけたようです。ところが、本人は「保健所に通報するぞ」と怒りは収まりません。

後日、保健所から店に検査が入りました。保健所としても潜伏期間が短すぎることと、家族に何ら健康被害がないこと、さらに保健所から衛生優良店の表彰も受けていることから、多分この店が感染源ではないだろうと考えていたようです。

念のため従業員の検便をしましたが、案の定ノロウイルスは検出されませんでした。結局、このお客様は保健所からの説明で渋々納得されました。

お客様にはノロウイルスは怖いというイメージはあっても、ノロウイルスに関する知識がないために、生ものだから寿司が原因ではないかと、濡れ衣を着せられることがあります。

生ものを扱っている店は、衛生管理には人一倍気を使ってるのですから、ノロウイルスの正確な知識を持っておくことはとても大切です。

ノロウイルスに関しては、厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」に詳しく書いてありますので、読んでおくことをおすすめします。

ノロウイルスの感染経路は、病原体が付着した手で口に触れることによる感染(接触感染)、汚染された食品を食べることによる感染(経口感染)などがあります。

加熱した食品であっても一定の温度以下になった状態で、感染している人が触れた食品を食べたときにも感染をしますから、加熱して商品だから大丈夫と言うことはありません。事実、2014年浜松市では、学校給食で提供された食パンからノロウイルスが検出されました。

今回のケースでも、生もものの寿司ではなく、24時間以上前にどこかで食べた食品による感染の可能性が高いと考えられます。

ノロウイルスに限らず、食中毒を防ぐには

  1. 調理・食事の前や、トイレの後、デリバリーの前後には、石けんと流水で、ツメや手首まで十分に手を洗います。
  2. 健康状態を把握し、スタッフが下痢やおう吐、発熱など風邪のような症状がある場合には、必ず店長に報告し、病院で診察を受けさせます。
  3. ノロウイルスや食中毒などの正確な知識を学びます。
  4. 普段から衛生管理を徹底して、保健所ともいい関係をつくっておきます。

どれも難しいことではありませんが、やり続けることが予防につながります。

そして、ノロウイルスに関する正しい知識疑いをもたれた時のお客様への対応が、非常に大切なことがこの事例からもわかります

とはいっても、スタッフが感染しないとは限りません。ノロウイルスが疑われるような症状が出れば、すぐに出勤を停止し、医師に診てもらいましょう。

もしも、店からノロウイルスによって食中毒が発生して、3日間の営業停止処分を受けてしまえば、その間の売上はなくなります。

それ以上に怖いのは、お客様の信用を失うことです。さすがにノロウイルスを感染させた店には行きたくないですから、その後の営業には大きな打撃を受けることは間違いありません。

さらには、スタッフに感染のおそれのあるときには、思い切って営業を一時的に休むのも危機回避策の1つです。

安心安全で美味しい商品をお届けすることが、店の使命でもあり、お客様の信頼につながります。

 

 

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