商戦期に店長がなずべき業務とは?
「注文が多い商戦期に限って、いろんなミスが起きるんですよ」と社長がこぼしていました。
よくよくお話しを伺ってみると、素材を入れまちがえたり、ご飯を付けを忘れたり、箸などを持っていかなかったり、中には、注文と違う商品を届けてしまうようなこともあると聞きました。
考えてみれば、注文が少ないときには時間内で行う作業や仕事量が多くありませんから、余裕があるのでミスは起こりにくいでしょう。
しかし、商戦期で注文が多くなれば、同じ時間内に処理すべき量が増えてくるので、時間的にも精神的にもミスが起きやすくなるのは当然のことです。
商戦期には、作業量が増えるため「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃあ」と焦ってしまいます。やるべき仕事の多さに目が向いてしまうと、今やるべき仕事に集中できません。
これはある種パニック状態に陥っているのと同じですから、普段はしないようなミスをしてしまうのです。
このようなミスは決してスタッフだけの責任ではありません。本来的には、店に責任があります。なぜなら、これらのミスを防止できるのは、店長やリーダーの現場コントロール力であり、指示能力だからなのです。
スタッフは、それぞれ経験や能力が違います。一度に多くの指示を出しても、完全に遂行できる能力と経験のあるスタッフもいれば、仕事の指示を1つ1つ細かく出す必要のあるスタッフもいます。
商戦期には、仕事量が増えるので、細かく指示を出すべきスタッフに対しても、つい一度に多くの指示を出してしまいがちですが、これがミスを引き起こす原因です。店長やリーダーは、スタッフ個々の能力を把握して、店の状況を考えて指示を出すべきなのです。
ところが、繁忙期になると指示を出すべき店長やリーダーが、調理やデリバリーなどの作業を担当しています。
これでは、スタッフの能力を把握していたとしても、店全体の状況を把握することも、的確な指示をだすことも出来ません。
注文が多い商戦期こそ、店長やリーダーは店の作業を担当せずに、状況に応じて的確な指示を出すことが、結果として作業効率を高め、売上を伸ばします。
実際に、店長やリーダーが作業を担当した場合と指示・確認業務に専念した場合では、売上に1.2倍の差が出た店もありました。
一見すると店長やリーダーも含めて全員で作業に従事したほうが効率がいいように思えますが、決してそうではありません。
店の状況は刻一刻と変化します。その変化に柔軟に対応するためには、的確な指示をするリーダーが必要なのです。
これから迎える商戦期、店長やリーダー、スタッフの役割分担を明確にして、最大の売上げを目指してください。
商戦期は、オペレーションの差が売上の差に表れます。
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