第43話:営業マンは“プロ”ではないのか?
「今まで営業をやってましたが、自覚が足りなかったように思います… これからはしっかり取り組んで、自分の営業力を磨いていきます!」と反省しながらも意気揚々と今後の決意を語ってくれたのは、某顧問先様の営業マン。
業種・業界を問わず、企業には必ず“営業マン”、もしくはそれに代わる“営業スタッフ”がいます。営業という呼称が自社になくても、お客様と接するのであれば、それは紛れもなく営業としての役割が求められます。
「企業の全てのコストはお客様が負担している」という事実を踏まえれば、営業という仕事を抜きに、企業が成り立つわけがありません。にも関わらず、全ての営業マンに欠けているものがあります。誤解を恐れずに申し上げれば、それは“営業のプロ”としての自覚です。
このように申し上げると「いやいや、自分は“営業のプロ”として自覚を持ってやっている!」という声が聞こえてきそうですが… プロと言えば、サッカーの本田選手やテニスの錦織選手など、彼らはまさに紛れもないプロ中の“プロ”として、日々の研鑽・練習を欠かさないであろうことは誰でも想像できます。
ではひとつ質問です。「“営業のプロ”として、日々怠ることなく研鑽してますか?毎日とは言わないまでも、営業の練習(ロールプレイングなど)を定期的にやっていますか?」この質問に自信を持って「Yes!」と言えない限り、プロではありません。なぜなら、練習をしない“プロ”などいないからです。
給与の支給方法には様々な形態がありますが、給与という報酬をもらう以上、“営業のプロ”であることに違いはありません。にも関わらず、私の経験則では“営業のプロ”として日々練習している企業・営業マンは本当に僅かです。
多くの企業・経営者から「業績が上がらない」、企業の数以上に存在する営業マンから「売上が上がらない、ノルマが達成できない」という話を伺いますが、それは当然のことです。なぜなら、彼らのほとんどが「練習していない」からです。
これはプロの野球選手が「バッティングの練習をしないのに打率が下がった」、プロのサッカー選手が「シュートの練習をしないのに得点できない」と言っているのと同じです。このような状況であれば、売上が上がらないのは当然で、逆に売上が上がる方がおかしいと言えるでしょう。
では、どのように練習すれば良いのか?という話になりますが、それには先ず、「正しいやり方」を知ることです。「正しいやり方」を知らずして、いくら練習しても、売上にはつながりません。多くの営業マンが「正しいやり方」を知らず、「知らない」ということをさえ、自覚できていない状態です。結果を出すには「知らないことを知らない状態」からはじまり、「5つの壁」を超えなければなりません。
現状:「知らない」ことを「知らない」状態
1つ目の壁:「知らない」ことを「知った」状態
2つ目の壁:「知った」ことを「できない」状態
3つ目の壁:「知った」ことを「意識すればできる」状態
4つ目の壁:「知った」ことを「意識しなくてもできる」状態
5つ目の壁:「意識しなくてもできる」ことを「継続している」状態
「正しいやり方」の一例として、「売れる営業マンが実践してる4つのプロセス」における最初の「1)アプローチ」を紹介します。下記の動画で確認してください。
※動画の再生はこちら(成長戦略TV 第69回)
上記の動画では、「売れる営業マンが実践してる4つのプロセス」における最初のステップとして、「1)アプローチ」について解説していますが、2〜4番目のプロセスで、どのようなことをすべきかわかりますか?またステップごとに目的がありますが、どのような目的となるかわかりますか?
このようなことを「知っている営業マン」と「知らない営業マン」、「実践している営業マン」と「実践できていない営業マン」では売上が変わって当然です。
貴社の営業マンは、このような営業プロセスを知っていますか?実践できていますか?そして、“プロの営業”として、営業力を底上げするための練習(ロールプレイングなど)をしてますか?