新商品が売れない原因とその対策
「社長である私が、しっかりと営業戦略を示すことの重要性がハッキリと分かりました」
以前開催したセミナー終了後に、ご参加頂いた社長がポロリと言った一言。
新商品が売れず、どう営業を見直すべきか…そのヒントを得にきたそうです。
今現在は、社長自身もトップセールスで営業をしており、ご自身は数件受注を獲得できている。
しかし、営業マンは、まったくと言っていいほど受注が取れないとのこと。
「社長業もしなくてもいけません。いつまでも営業をし続けるわけにも行かないので、営業マンが独立独歩で売れるようになってほしい…ハッパをかけても成果につながらず、どうしたものか…」
日々の経営のなかで、悶々としていたそうです。
そして、セミナーを聴いて
- 自分の商談が何故決まるのか?を解析して、決まる理由を社員に明確な言葉として伝えていなかった
- 顧客の業種や規模によって、営業アプローチは違うのに、それを上手く伝えきれていなかったのかも。
そもそも、会社として、営業効率のあがる「ターゲット市場」に絞る! という視点もなく、総花的な営業活動をしていた。
そのため、営業部隊での「売れる知恵」が蓄積されないという問題点は確かにあるかも… そう感じられたとのことでした。
まさに、真意をとらえていらっしゃいました。
これは、冷静に「営業マンの心理」を考えてみれば、ある意味当然のこと。
社長が売れるのは、アタリマエ。
僕らは、既存商品を抱えて、そのノルマに追われているし、顧客フォローもある。
そんな言い訳が、社内の空気に漂っているのは、よくよく見かける光景です。
だいたい、既存商品の売上はしっかりと立てているのに、あえて自分をリスクに晒す人間なんて、そうそういません。
「新商品を売る体制づくり」を発案して、仕事が増えれば、同僚や部下からブーイングがくるのは、火を見るより明らかです。
ましては、部下が上司に提言することなど、極めて稀
失敗しすれば、無能扱いされ、評価がさがってしまうかも知れません。
あえてリスクのある行動を起こして、責任を問われるよりも、事なかれ主義で仕事をしていた方が、ある意味安全だと考える社員が多いのは、社員の心理から見れば、不思議なことでもなんでもないわけです。
だからこそ、社長自らが旗を振る必要があります。
自ら売るのも必要ですが、旗を振る事が大事なのです。
新商品を育てる必要性を、会社都合ではなく「ビジネスの常識」として認識させ、真剣に取り組まざるを得ない土壌をつくった上で…
- どのような市場を攻略し、どのようなポジションを会社として築くのか。
- 新商品は、誰にとって、どんな貢献をするのか。
だから、どんな市場を狙うべきなのか?
- 新商品にかける経営資源はこのくらいで、いつまでに成果をもたらす必要があるのか?
など、戦略を明確に提示した上で、新しいことなので戦術までトップが企てる…。または能力のある社員がいれば戦術案を出してもらっても良いでしょう。
但し、社員にアイディアを出させる場合、戦術の決定は、トップが責任をもって採用し、発案者や実行部隊に責任を問わないことが大事です。
責任を問うた瞬間に、営業現場での起きている事実を収集できなくなる恐れがあるからです。
現実おきていることを掌握しなければ、戦略、戦術の微調整を行うことができません。
当初案で、いきなり大成功することなどなく、小成功の要因や失敗要因を改善・修正、ブラッシュアップしながら、営業活動における具体的な行動に磨きをかけることで、新規事業は成長軌道にのっていくもの。
そのためにも、戦略を明快な言葉で組織に伝達することが必要不可欠です。
これをしないと、戦略と戦術が噛み合わずに、行動修正の素地が醸成されません。
行動修正の素地がなければ、経営陣と現場の意識がズレまくったまま失敗に終わってしまいます。
そういった悲劇を起こさないためにも、新商品の発売時には、経営陣から…
- どのような市場を攻略し、どのようなポジションを会社として築くのか。
- 新商品は、誰にとって、どんな貢献をするのか。
だから、どんな市場を狙うべきなのか?
- 新商品にかける経営資源はこのくらいで、いつまでに成果をもたらす必要があるのか?
など、明確な言葉をもって、戦略提示をする必要があります。
御社では、新商品の営業活動を戦略提示なきままに営業部隊に丸投げしていませんか?
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