この事業は年商10億になる可能性を持っているか?年商数億を年商10億事業に変革する社長の視点
空港に着くと、にこやかな社長に迎えて頂きました。
年商10億に育つ事業の芽の手ごたえを探るべき、数件の客先訪問をお願いしておりました。これは良い成果が得られたかと、車の中でさっそくお尋ねすると
「矢田先生、ダメでした」との言葉、そして、
「しかし、大きなヒントを得ることができました」と
年商数億の事業を、年商10億に変革するポイントは、大きくは三つあります。
一つ目は、年商10億に育つ可能性のある事業モデルへの変革、
二つ目は、年商10億を捌く分業体制の構築、
そして、三つ目は、年商10億、20億、30億と持続的に成長する組織構築
それぞれを短いキーワードで表現すれば、「10億事業」「10億分業」「成長組織」となります。多くの会社は、この3つが構築できずに成長を停滞させています。
この中でも最も重要なものは、やはり一つ目の、年商10億に育つ可能性のある事業モデルへの変革となります。実は、これさえできればその勢いで年商20億、年商30億まで行ってしまうケースも多くあります。
この変革のための事業機会の発見や構築が、社長の社長としてのもっとも重要な仕事となります。これが無いと、いくら優秀な人材をそろえても、いくら立派な内部体制を築いても、大きく成長をすることはありません。
そのため、この一つ目の「10億事業」をクリアすることが、コンサルティングでも一つの山場となります。
この事業モデルの出来とその課題により、クライアントを大きく3つのグループに分けることができます、そして、それぞれの取組みが必要になります。
グループ1.「10億事業ができている(すでに見つけている)」会社
当社のクライアント全体の3割がここに当たります。
すでに年商10億に進む事業の条件を満たしており、ここ数年で急成長していることがほとんどです。大きな変革の必要は無く、商品の作り込みや集客の仕組みの精度向上という修正が主な取組みとなります。
精度が低い状態で展開をすると、各拠点や拡大する顧客先でクレームが頻発することになります。この段階で、作り込みをし再スタートを切ることで、その後もスピードを持って大きく展開が可能になります。そして、その成長のスピードに間に合わせるために、早々に分業と組織の構築に移行します。
グループ2.「10億事業への変革が必要(もう少し、おしい!)」な会社
当社のクライアント全体の4割。ここ数年、年商5億から10億の間で成長が鈍化していることが多くあります。
すでに大きく育つ事業の条件は大方満たしているものの、それが活かしきれていない。
その事業を「価値で変換をすること」や「顧客ターゲットの見直し」など、数か所戦略を変えることで、10億事業への大きな変革が可能となります。
変革後半年以内に、1,2億の受注という成果が出始め、成長を始めます。
グループ3.「事業モデルをつくる必要がある(見当たらない)」会社
そして、残る3割。規模は年商2,3億の会社が多くあります。
この規模まで、社長の信頼でその仕事を取ってきました、しかし、これ以上に行くには、やはり根本的な事業の優位性や特色が必要になります。
下記の業種はそのサービス的な特性が大きく、この規模で成長を停滞させるケースが多くあります、工事業(専門工事、リフォーム、住宅)、販促物作成、量産型の製造業、多くの店舗型ビジネス。
そのため、このクライアントに対しては、年商10億に育つ事業「探し」からをお手伝いさせて頂くことになります。
そこでやることは、社長から複数のアイディアを出して頂き、矢田の持つ他業種での成功事例や知恵からそのアイディアを検討していきます。その中から年商10億に育ちそうな一つの事業を選びます。そして、それを提案に行ける先を、具体的に数社リストアップをし、アポをとります。その日までに提案書にまとめ、社長自ら訪問し、その事業の可能性や改良点を探ります。
社長自らの訪問が必要になります、社長以外誰も顧客の真のニーズや事業機会を捉えることはできません。ここまで、約2、3週間。
そして、うまくいけば、その結果を受けてさらに提案書を改良し、商品化をすすめ、できれば成約まで持っていきます。これで、年商10億に育つ事業が見えてきます。
しかし、そう上手くいくものではありません、年商10億にならない事業であると判断すれば、再度アイディアを出し、リスト上げ、提案書の作成をし、訪問を行います。今後の大きな飛躍のために、年商10億にならない事業に中途半端に手を出すことはありません。このサイクルを、見つかるまで繰り返すことになります。
見つかるまでは、内部の仕組みづくりに進むこともありません。(他の当社のクライアントには申し訳無いのですが、同じコンサルティングプログラムでも訪問回数が多くなります。)
これが、事業に変革を起こす手順です。多くのクライアント社長は、当初、この動きとこのスピード感に慣れず大変な思いをされますが、すぐに社長ご自身のなかにも変革が訪れることになります。
それは、社長自身が、『自社を大きく飛躍させるため』、『年商10億にさせるため』に、この視点で事業を考えるようになります。社長のなかで、パラダイムシフトが起きるのです。
冒頭の社長は、この時3本目のトライでした。
事業戦略を練り、提案書をつくり、実際に客先を回る、そして、次は4本目に取り掛かります。
社長言われます、
「最近、24時間こればかり考えています。顧客が真に望んでいるものは何か?そして、年商10億以上にできる事業は何か?いままで、そんな視点で事業を観ていませんでした。今回の訪問で、ヒントを見つけました・・・というよりもお客様に教わりました(笑)次で間違いありません。」
この視点、この力は、本来どんな社長にも有ります。特に、年商数億の社長であれば、間違いなくあります、あるからこそ、今の顧客は満足し自社を使ってくれているのです。でも、多忙な毎日のなか、その視点を忘れているだけなのです。
この動き、この視点を得ることは、社長としての絶対の自信になります。なぜならば、この視点を持つ限り、今後も自社の事業を変革し続けることが出来るからです。
社長より2週間後メールがありました、
1件、新しいサービスの受注が決まりました、と。
社長は、明確な意思を持つ必要があります、
顧客のニーズから、それをどう事業化するのか、年商10億に育つ可能性のある事業に変革するのか、この意志を持ち、今日の業務をこなす。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。