やらされから自発へのきっかけとは
経営トップやコンサルタントが現場に足を運ぶ直前になって、慌ててカイゼンに取り組む。
こんなことでは、上からやらされたカイゼンで活動も長続きしませんし、成果もなかなか出ません。
こうなるとカイゼン内容も経営数字につながるかどうかより、経営トップやコンサルタントに実績の報告をしやすい取組みが中心になってしまいます。
これでは何のためのカイゼンか分からなくなってしまいます。
コストを削減して、売上を増やして、利益を増やすためにカイゼンをするのではなく、カイゼン報告をするためにカイゼンをするという変なことになってしまいます。
いったいどうしたら社員はやらされカイゼンではなく、自発的にカイゼンに取り組むんでしょうか?
私が以前在籍していたメーカーは、2000年頃大量の不良在庫を抱え、大きな損失を出し、経営危機に陥っていました。
私はこの苦境を乗り越えるため、地方の工場でカイゼンに取り組んでいました。
工場で働いている人にとっては、自分の工場がいつ閉鎖になるかという身に迫った危機感から、多くの人が自発的にカイゼンに取り組んでいました。
自分の城は自分で守る
結果的に3年間で3千億円の在庫削減を達成、資金繰りやコストが大幅に改善され、奇跡的に復活しました。
だからといって、会社が経営危機になれば危機感から自発的にカイゼンするから、それまで待てばいいよ、なんてことはありえません。
経営危機になる前に自社をより良い経営状態、より良いものづくりになるように、工場のメンバが自発的にカイゼンに取り組むべきです。
なかには提案制度を取り込み、社員に積極的にカイゼン提案を求めている会社もありますが、カイゼン提案を出すことがメインになってしまいかねません。
いったいどうやって自発的にカイゼンに取り組ませるか?
中年男性のダイエットにも似たところがあります。
家族や友人から、中高年に太ってきたから、食生活をカイゼンして、運動をするように、言われてやってみても、なかなか長続きしません。
だからといって成人病になってようやく自発的に体質カイゼンに取り組むのでは遅すぎます。
では、どうするか?
我々の場合であれば定期的に健康診断をして、成人病になる前にその兆候を具体的数値で示されると、危機感を持った人かは本格的に体質カイゼンに取り組みます。
みなさんの工場の健康度合いはどうですか?
事実に基づいた悪さ加減を具体的に知ることで、カイゼンせねばならないという危機感を持った社員が現れます。
みなさんの工場の悪さ加減は具体的に把握できていますか?
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