入社前と、入社後にギャップがある会社
もし、中途で採用した社員が、入社後に、「面接の時と話が違う」という感情を、一度でも持った場合を想像してほしい。
どちらが正しいかどうか、という理屈の前に、その社員は「会社にプラスの影響を与えることは非常に困難」な人材になってしまう可能性が高い。
理論理屈は、感情には勝てない。
入社後に、実際に社員にそう思われてしまった場合、どういうことが起きるかというと、会議や公の時には当たり障りなく仕事をしているが、社外の人間とのコミュニケーションや、社内においても非公式の飲み会などで、会社のマイナスを口にするようになる。
それが、周囲の社員に影響を与える。
徐々に、負の影響を与え、やがて、既存の社員にも、会社に対する不信感を植え付けてしまう。
会社の事情をよく知る、古参の社員が、いくら話をしても、心からは納得しない。
「時代が違うでしょう」と。
やがて、社員間の溝にも発展してしまうケースも。
総じて、会社に取って、プラスに働くことはほとんどない。
さらに、このような、会社に対する不信、社員間の溝を改善することは、とてつもない労力を伴う。
「それなら、採用しないほうがまだ良かった。」と思うくらい、大変なことになりかねない。
・・・では、どうするか?
人を採用するなら、会社の仕組みやルール、労働に関する規則、賃金規定などを見直し、改善し、どこに出しても大丈夫にしておくことが先だ、ということだ。(最低限、法的に問題のないルールに)
もし、万が一、入社前に「隠さなければ採用できないような、すこしばかり、不安な要素」があるなら、そっちの改善が先!ということです。
実際は、社長の心の中には、「今まで、この仕組み・ルールで既存の社員はやってきたんだ!」・・・という思いもあると思う。
そのお気持ちは、よくわかります。
しかし、今は、インターネットやSNSが発達し、基本的に隠すことはできない時代。
簡単に他社との比較もなされてしまう。
会社への不信からやめた社員は、確実にバッドな口コミを広めてくれる。
入社前に、内情をよく知らずに、表面的な情報で判断されてしまう事も増えるだろう。
逆に考えれば、ある意味、いい時代が来たとも言える。
本気で、社員が幸せに働ける環境づくりに取り組む会社には、いいチャンスになるのだ。
会社の中の、様々な仕組みやルール、規則、慣習を見直し、本物の組織を作るチャンスが来たと受け止めて、改善に着手することをお勧めする。
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