社長さん、新入社員一人にいくらの給料を払っていますか?
「社員の方々には、いくらの給料を払っていますか?」── この気になる問いは、どこで質問するかによって違った答えが返ってきたりするものです。
実際の金額はさておき、事業をしっかりと展開していこうとされている、まっとうな経営者の方々であれば、「社員にはたくさんの給料を払ってあげたい…」と考えられているもの。これは本当に共通している事実です。
中には見栄もあって?!、「ウチは業界一の給料を社員に払っているよ!」と笑顔で話される社長さんもいますが、これはいい意味の見栄であり、いい経営者同士なら、ウチも負けないよ、と頑張ったりするものです。
もちろん、たくさん払ってあげたい…と思っていても、当然ながら「経営」ということが上手くいっていなければ払いたくても軍資金がない…ということになります。ですから、しっかり稼いで儲かっていなければ…ということになる訳です。
このへんのことを、社員の方々がどれだけ理解してくれているのか…という疑問がどうしてもよぎってしまうのですが、優れた経営者の方々は、「君たちの給料を増やしていくためには、これこれ、これだけのお金が必要となるわけで、そのためには君たちにもお客様に買っていただけるよう、努力して成果を出していってもらう必要がある…」といった説明をしっかりされる傾向があります。
人は、理屈が分かると納得したり、努力の理由が分かるようになってくるからです。これは単に「つべこべ言わずにやれ!」といわれて、嫌々ながら行動するのとでは、まるで違う結果につながっていくことは、言うまでもないことでしょう。
さて、社員の方々、特に若手社員の方々に、自社の未来のために様々な教育をし、一日も速く活躍してもらうべく努力されている企業はたくさんありますが、一方で、この人材投資が、事実上、「人的作業」を負ってもらうためになっているケースが非常に多く見られます。
簡単に言えば、今ある会社の中の作業を、人数換算で増やすために追加で人を入れて増やす…とか、新人を入れて増やす…というものです。店員さん、営業スタッフ、ホールスタッフ、仕入れ担当、巡回スタッフ、○○担当者…といったケースに多く見られるものです。
これらが単純に問題という訳では決してありませんが、もし「今のベテラン社員より安いから…」とか、「人数比を増やしたいから」といった安直な理由で配置を考えてしまうとしたら、ここには大きな問題がはらんでいるといわざるを得ません。ビジネスの構造や仕組みとしてのレベルを上げることなく、単純に人的パワーで解決を図ろうとしてしまっているからです。
人間への投資は、その人の可能性を考えれば、未来の経営陣となって活躍してくれることもある訳で、そういう意味ではまさに無限大とも言える一方で、現実的に毎月少なくとも30万円や40万円といった、経営的には決して安くない金額がかかってくることを意味します。
ビジネスのしっかりとした成長を考えるとき、また社員に本当に高い給料を払っていくとしたら、少しでも儲かるビジネスのステージアップが極めて重要となってきます。このことへの投資は、まさに自社の成長に大きな影響を与える訳です。
社員教育や研修といったものは、既存のビジネスの枠内での人的能力の強化を意味します。一方で、新たな仕組みづくりや革新、体質改革は、ビジネスの構造に対する強化、レベルアップを意味します。これこそがコンサルタントを活用する本質です。
自社の成長発展のために、しっかりとした投資に、ぜひ着手していっていただきたいと思います。
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