成熟社会は専門サービス化する!
成熟した社会は「専門化」する。
と言われています。
どういうことかというと、社会が成熟すればするほど、「何でもある!」ということに消費者は価値を見出さないということです。
例えば、業界的に苦戦をしている百貨店。
まだ都会はインバウンド効果がありますが、地方においては深刻な状況です。
いろんな店舗がテナントで入っていて、そこにいけば何でもあるというような業態に消費者が魅力を感じなくなってきました。
大体、そのようなところに入っているテナントの商品はネット注文できる時代です。
飲食店も同様です。
多種多様な商品を扱うようなファミリーレストランや、居酒屋チェーンも、「品揃えで勝負できた時代」は終わり、専門特化に方向転換しています。
ファミリーレストランは、従来の店舗を「とんかつ専門店」のような、専門店に業態転換して、ひとつの商品にこだわり、魅力付けをしたり、居酒屋チェーンも、「鹿児島料理専門の店」や「比内地鶏専門店」など、地域特化のメニュー構成や、こだわりの食材に限定した店に業態転換したり、中には「280円均一」や、「1軒目に来て欲しい店」というコンセプトで店舗展開しているところもあります。
このように、消費者は「何でもある!」という価値から、企業からの「提案」や「こだわり」、「想い」を感じられるものに価値を感じる時代に移り変わっているのです。
単なる、流行っている店をテナントで誘致するようなデベロッパー的なやり方や、メニューが多い余り、簡単に保存、調理できる冷凍ものの提供では、お客様は魅力を感じないということに、いい加減気づかなければなりません。
この流れは、既に他業界にも進んでおり、何で他社と違いを出すか、それはお客様にとってどんな価値があるのかを明確にする必要があります。
それには、自社の「コンセプト」という軸をしっかりと持ち、商品・サービスをコンセプトを基に磨くということが大切になります。
ホテルリッツカールトンは、「もうひとつの我が家」というコンセプトがあります。
それは、お客様にとってリッツカールトンが「もうひとつの家」であることを意味します。
従って、リッツカールトンは「いらっしゃいませ」ではなく、「お帰りなさいませ」と来館時声を掛けていますし、チェックアウトの際も「ありがとうございました」ではなく、「お帰りをお待ちしております、いってらっしゃいませ」です。
「無印良品」もこのモノが溢れている時代に成長を続けていますが、コンセプトは「これでいい」です。
「これがいい」ではなく、そんなに高級ではないかもしれないけど、粗悪な商品ではなく、こだわりのある「これでいい」。
このコンセプトを基に商品・サービスを提供しています。
企業側のメッセージの伝わる良い事例です。
このように、ひとつのコンセプトを商品・サービスに一気通貫することで、自分達が提供する価値を明確化し、差別化するだけでなく、そのコンセプトに共感してもらうことで、自社のファンになってもらい、ロイヤルカスタマーも獲得にも繋がります。
それが明確になるのは下記の4つの質問です。
- あなたの企業は何の専門家ですか?
- お客様に対してどんな価値を提供していますか?
- こだわりは何ですか?
- それは、ライバル企業と何が違うのですか?
最近では、そのようなコンセプト作りからサービスの設計・体系化の依頼も多く、そのような時代に進んでいることは間違いありません。
皆さまの会社ではいかがですか?
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