危機が来てから対策を練る社長の末路
ネット社会になり、様々な情報が意識せずとも勝手に飛び込んでくる時代になりました。
なので、恐らく皆様も「会社の生存率」は一度は目にしたことがあるかと思いますが、今一度正確な統計数字を見てみて下さい。
国税庁のデータです。
5年 14.8%
10年 6.3%
20年 0.4%
30年 0.021%
となっているとのことなので、30年以上経営を続けている会社は、100社に1社も無い状況だからです。
先日、46期目の決算を迎えたクライアント企業さんから、利益が出ました!とメールが入ってきました。
同社は、日本を代表するコンピュータ周辺機器メーカーのアセンブリ事業を受託していましたが、なんとも残酷なことに、その全ての事業が海外に持って行かれてしまいました。
国内に取り残された同社は、がっぽりの売上がなくなり、新たな活路を模索して自社商品を売り出していたのです。
社長の不退転の決意によって事業は存続し、新規事業を太くしている最中ですが、46年も続く会社というのは、国税庁の調べでも分かる通り、奇跡的な可能性なわけなのです。
既存の事業がダメになる原因は様々です。
上記のように、下請け構造がガラッと変化したり、コモディティ化して収益事業として成立しなくなる場合もそうです。
ただし、これは一気にガラッと変化するわけではありません。
表面的には、そう見えたとしても、必ず「予兆」があるはずです。
弊社には、既存事業が縮小し、新規事業を手掛けて様々な手を打った後に来られる方がいらっしゃいますが、財務状態が悪化し、カツカツの状態でこられても打つ手は限られてしまいます。
ぶっちゃけ言うと、危機が来てから対策を打つ社長は、会社の死亡率は極めて高いのです。
もちろん、ギリギリの状態であっても、何とか打ち手を考えて、最小の投資で最大の効果があがるよう仕掛けを打つ知恵は絞りますが…
それでも、もっと投資が出来れば確実な「打ち手」が打てたり、もっとゆとりを持って市場を幅広く定義して、早期に売上をつくる販路を見つけられるのに…と歯がゆい思いを持つこともしばしばあります。
自社の主力商品がもしも、コモディティ化してきたら…
もしも、独自性を発揮できない活動に終始していたら…
経営資源の限られた中小企業は、即「変化への打ち手」を実行することが大切です。
実際、私が関与している企業で、かつ成功し続けている社長さんに共通している経営姿勢でもあります。
だからこそ、何十年も生き残り、しかも利益を上げ続けているのだと確信しています。
他人と一緒の行動をしていていると「安心」するという心理特性を、私たち人間は持っています。
しかし、事業活動に限っていえば、これは錯覚以外の何者でもありません。
消費者の立場であれば、「選ぶ側」ですから、同調行動を取ったとしても「ベストな選択ができなかった…」という、ちょっとした失敗だけに終わります。
だけど私たちは、販売者の立場です。
販売者は「選ばれる立場」です。
同じ行動をとっていれば、必然的に選ばれにくくなり、事業は先細りになっていくのは目に見えてわかることです。
そうなる前に…
先行投資がまだ絞り出せるときに…
変化への打ち手を打つことが大切です
御社は危機を感じた瞬間に全力をもって、経営の打ち手を実行していますか?
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