コンサルタントに任せるべきトコロ、任せてはならないトコロ…とは?
昔は「会社が傾いているのでコンサルタントを入れる」という経営者がもっぱらでしたが、最近ではこうした古い発想はかなり少数派となりました。
確かに今でも「事業再生」となれば、コンサルタントに御厄介になる…というパターンもありますが、昨今のコンサルタント活用と言えば、「コンサルタントを入れて、業績をグンと伸ばしたい!」とお考えの社長さんが非常に多くなってきました。
小さな会社、社長が率先垂範でプレイングマネージャーのように走り回っている規模であれば、コンサルタントを入れてどうこう…という段階ではありませんが、社員数が30人とか50人を越えて、いわゆる「仕組み」や「組織」で事業を伸ばしていくことを考えるとき、専門コンサルタントの導入はもはや必須とも言えるほど、重要な事業戦略です。
ここで一つ注意すべきことがあります。それは、「コンサルタントに任せるべきトコロと、任せてはならないトコロの見極め」です。ここのポイントを外してしまうと、素晴らしい効果を上げるコンサルティングも、下手をすると自社の急所を自ら作りかねないことになってしまいます。
では、端的に言って、「任せてはならないトコロ」とは何か? ですが、これはズバリ「自社で考え、自社で回せるようになること」です。要は「モノにする」ということが最重要のことであり、これ以外のことはすべて二の次、三の次…ということをしっかり理解しておく必要があるのです。
ここを本質的に理解できていないと、「売上をあげること」「新商品が売れること」「集客がうまくいくこと」…といった、目の前の数字的な成果に走ってしまうからです。
もちろん、目の前の数字的成果が気になることは分かります。しかし、「なぜコンサルタントに依頼したのか?」という、最も重要な「理由」を考えてみてください。
A:売上を上げるためにコンサルタントに依頼した
B:売上をあげていける仕組みづくりをコンサルタントに依頼した
AとBでは、似ているようで、まるで違う依頼理由です。事業規模で10億円を越えれない企業の場合、Aの発想でコンサルタント依頼をしているケースが多くみられるのは、単なる偶然ではありません。
冷静に考えれば、「売上づくりを他人に依存する」ということが、経営的にどういうことか…ということです。ノウハウを導入することで、自社には新たな仕組みができあがりますが、それを回すのは誰か…ということです。また自社で回せるからこそ、次の発展をモノにしていくことができる訳です。
上手にコンサルティングを活用される企業では、総じてコンサルティングを受けられる際、「経営者+担当責任者」または、「経営者+担当責任者+実務担当者」といった組み合わせをされることが多くなります。これは研修などが、「担当責任者+複数の社員」などで行われるのと対照的です。
経営判断で社長直轄として動かし、担当責任者が回せるように社長同伴でノウハウを自社に導入してもらう。これにより、自社で本気で回せる仕組みが構築できるのです。逆に言えば、自社で回せるようにならない、「コンサルタントが代わりにやってくれる」というケースの場合、大問題ということです。任せるべきポイントがズレているからです。
社長の皆さん、大丈夫ですか? 押さえどころを間違っていませんか?
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