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他人任せの営業活動が招く結果とは?

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

20160928

「今の事業はそろそろ頭打ちで、今後の伸びも期待できないし、現状のお客様もこれ以上は買ってくださらないと思うし…。何か新しいことを始めようと思うのですが、今後は何が売れると思いますか?」

先週、経営者が集まる会でたまたま隣り合わせに座った社長様のお話です。今の商品もそろそろ時代遅れなので、何か流行りに乗った売れ筋商品はないかな~とお考えのようです。

これまで、その時代、時代に合った商品を仕入れ、それを大量に捌いてくれる業者に卸していけば特段の営業スキルがなくても、どちらかと言うとこまめに御用聞きで歩いてさえいればコンスタントに注文が入ってきた経験から、この社長様のように、“良い商品さえあれば”…という発想になる経営者も少なくありません。確かに、自社に特別な営業力がなくても商品自体に売れる魅力があれば自ずと売れていく…という考え方も当然ありますが、私は逆の発想で、特別な営業力があれば商品の魅力はそこそこでも勝手に売れていく…と考えています。「商品の魅力」が先か、「売れる仕組み」が先か…経営者にとってはどちらも頭が痛いテーマです。

では、これを顧客側の視点で考えるとどうなるでしょうか?

個人客であれば、自分の懐から大切なお金を出すのですから、もちろん良い商品でなければなりません。粗悪品や偽物などはもってのほかですが、自分にとって使い心地が良く、納得のいく商品であることが望まれるのは当然です。また、企業相手の営業でも、納入されてきた商品が不良品だったり欠陥があったりしては自社の信頼にも関わる一大事ですし、度々トラブルが発生するようでは困ります。ここでも商品の安全性・信頼性は第一であると言えます。

しかし、我々が考えるべきは、商品に問題が有るか無いかという次元の事ではなく、

「どれも良い商品なんだよなぁ…甲乙つけ難い…あとは値段か?サービスか?何か、“コレ!”と言った決め手が欲しい」

というステージでの戦い方のはずです。私たちの身の回りには、コンビニでも大型店でもたくさんの“こだわり商品”が溢れ、一方で、量産される品物も製造ラインのほとんどは機械化されてどこの会社でも一定レベル以上の品質を保てるようになりました。

現在、技術力がまだ不足していて、満足いくものができていないというのであれば、当然良いものをつくることに専念すべきですが、「良いものはつくったが、さてどう売って行こうか?」という段階にいるとすれば、それについてトコトン突き詰めていく必要があります。いつまで経っても「品物は良いんだけどね…」などと言っていては、国内どころか海外から攻めてくる元気のある会社に全て持って行かれてしまうのですから。

ただし、これらは自社の商品やサービスを自分達で売って行こうという体制の場合のお話しで、東の会社が作った商品を西の会社の販売ラインに乗せてもらう…という他人任せの営業スタイルの場合にはあまり関係の無いことです。その場合、「商品の魅力」も「売る仕組み」も他人任せで楽チンな分、自社には努力のしようが無く、ただその運命を他人に委ねる経営になってしまう怖さがあります。これまで、“生みの苦しみ”を味わった事が無い会社には、新商品・新サービスを生み出すためのコツや、その苦しみを乗り越える力量に欠けるため、いつまで経ってもぶら下がり体質から抜け出そうとしないからです。 

経営者の皆さま。御社の営業スタイルは他人任せですか?それとも自己責任ですか?販売のステージは今どこでしょうか?何となく売上が上がっていることに安心していると、ある日突然、その足元をすくわれますよ。

 

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