自社のイメージ(=人格)を作り上げるために必要な軸
もう10年近くもお付き合いのある会社があります。そこは、いつ行っても、誰が対応しても、同じように気持ちの良い笑顔で迎えてくださいますし、また、庭の植木はいつも綺麗に剪定されており、玄関のマットや壁に掛けてある額も常にまっすぐに揃っていて、とにかく何をとっても気持ちが良く、私はそこの会社が大好きです。
また、個人的にお気に入りの中華料理店がありますが、そこはいつ食べても同じ味でとにかく早い!忙しい昼食時間には大変重宝するお店で、対応してくれるスタッフの口ぐせはニコッと笑って「大丈夫!」…決してオシャレな場所ではありませんが、ここも私の大好きな場所の一つです。
きっと皆さんも同じだと思いますが、自分が大好きだと思うお店や会社には、独特の雰囲気や特徴があり、それは時に一人の人間のように感じることがあります。前者の場合であれば、誠実でまじめ・上品な女性のようであり、後者の方は、明るくおちゃめでテキパキした若い男性でしょうか?これらは私の勝手なイメージなのですが、この“擬人化する想像力”は、実は企業のブランド化に一役かってくれる大切な力なのです。
私自身、会社の営業力を上げて選ばれる集団にしていくためには“ブランディング”は欠かせないと考えていますし、経営者の皆さまにはそれを強くお伝えしています。会社のブランディングというと何だかとても難しくお金が掛かりそうに聞こえますが、一番大切なことは先ほどのような“企業の人格づくり”だと思っています。今日はその“企業人格”について少し考えてみたいと思います。
以前の会社にこんな上司がいました。朝は無口で一見不機嫌そう、仕事中は良く笑い(特に取引先との面談の時は素晴らしい笑顔!?)、しかし飲み会になると一転、グチと文句のオンパレード…どこの会社にも居そうですよね、一人くらいは。
また、他の会社にはこんな同僚も…ある時は穏やかな笑顔で親切に対応し、また別のある時は態度が豹変し、攻撃的で意地悪で同じ人物とは思えないほど。いずれも人間性というか人としてのあり方に少々疑問を持たずにはいられませんが、個人の性格や持ち味だと言われてしまえばそれまでのもので、なかなか一歩踏み込んだ注意や指導はしにくいものです。
しかし、これが会社としての顔だとしたらどうでしょう…?行くたびに言葉や態度などの対応が異なり、日によってサービスの度合いや熱心さに大きな違いがあり、人によって「お待ちしていました!」と言ってくれる時や「ゴヨウケンはナンデスカ…」とロボットのように乾いた対応をする時があるとしたら…もしもこれが貴方のお取引先だったらとしたらどう思うでしょう。
私がご指導させていただいている営業組織でも、同じような課題を抱えているところが多くあります。営業マンによって対応の仕方が違ったり、サービスの質やスピードに大きな差があったり…なかなか会社のイメージが統一できないという経営者の悩みは尽きません。商品の質を向上させる、技術を磨く、顧客を増やすなど…事業を発展させるために経営者が考えるべきことはたくさんありますが、そもそも、「社内をどうまとめていくべきか?」が一番の大問題なのではありませんか?
そのためにまずやるべきことは、「会社としてのイメージ=人格を具体的につくりあげていくこと」です。この会社は、「明るく元気で」とか、「真面目で几帳面で」、「豪快でワイルドな」性格で、「お客様の笑顔を一番に考える」「共に働く仲間を大切にする」「未来に挑戦する行動を優先する」など…現在、社内がバラバラな方向を向いているとしたら、まずは同じ方向を向くための軸となるイメージをつくってみてはいかがでしょうか。
経営者の皆さま。貴方の会社を人間に表すとどんな性格で何を大切にする人ですか?何が得意で誰と一緒に居たいと思っていますか?社内をまとめ、全社一丸となってブランドを築き上げていくためには、会社の人格を統一することが第一歩なんですよ。
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