知的財産の活用が広まらない理由3~社長、客観的な評価と活用こそ大事!
今回は、知的財産の活用が広まらない理由の3つ目として、前2回と異なる視点から話をしようと思います。
現在、私が所属している一般社団法人の取組の一つに、「知財ビジネス評価」というものがあります。
これは、企業が保有する知的財産がどれだけ事業に貢献できているかについて、事業全体の中の位置付けとして知的財産の価値を評価するものです。
特許庁でも、「知財金融ポータルサイト」にて説明しています。
(http://chizai-kinyu.jp/docs/)
先日も、ある大阪府内の製造業を訪問し、知財ビジネス評価のためのヒアリングを行いました。
その後、ヒアリングにご対応いただいた経営者からメールによる問い合わせがあり、お答えしたところ「非常に懇切丁寧なアドバイスで、感動いたしました。有難うございます」というお返事をいただきました。
あらためて、その会社が知財の活用にどのくらい重きを置いているか、今後の課題に対する解決の方向性も示唆させていただきました。
このように、「知的財産が事業にどのような貢献をもたらしているか」も、知的財産を保有する企業にとっては非常に重要であることを理解し、積極的にアドバイスを得て事業に活かす会社はまだまだ稀です。
実際には、非常に使える知的財産を持っているのにその知的財産について客観的な評価もされずに「何となく持っているから、貢献できているかな・・・」で終わっている場合が多いのではないでしょうか。
何度も申し上げていますが、「知的財産は使ってこそナンボ!」であることは言うまでもありません。
その上で、「知的財産の利用度を、誰もがわかる尺度で客観的に把握する」ことができないと、その利用度をどうやってあげて、事業展開していくのか?その利用度を生かして、いかに資金調達するか?という視点すら生まれず、結局「宝の持ち腐れ」になりかねないのです。
私は、(ちょっと哲学的になるかもしれませんが)企業に関わらず、人間がかかわることの本質は「見えない」ところにこそ存在すると思っています。
知的財産も「見えない資産」ですが、だからこそその価値を客観的に見せて、評価することで本当の企業価値を知らしめていかねばなりません。
少しずつではありますが、国家レベルで知的財産の評価と活用支援も広がり始めています。
この機会を逃す手はありません。
御社は、保有する知的財産が事業にどのように貢献しているか「客観的に」把握できていますか?
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