お仕事は、お金の回収が出来て、完了します。
「調べてみて、ビックリしています。帳簿に未収金があるのに、未収金リストには載ってきていない。帳簿が、正しいかどうか調べる必要があるし、第一、この請求システムを使っていない事業所があったんですよ、ホントにビックリだ!」
売上の数字は上がっているのに、資金は何となくタイト、不思議ですが、そんな会社が結構存在します。
医療福祉サービスをおこなっているM社のTさんは、今回部門長に抜擢されました。
現場で所長職を行ってきたTさんは、現場の所長は大変だ、その待遇改善を社長に申し出ました。そこで社長から出された答えは、「じゃ、部門長として改善して!」
Tさんは、医療現場で勤務した経験もあり、福祉サービスのキャリアを20年近く積んできましたので、現場のサービススキルも事業所の運営にも自信があります。
それだけではなく、ITにもめっぽう強く、M社に入ってからは、現場ですぐに管理できる未収金管理ソフトを作りました。
同僚3名と数年前に作った「未収金管理ソフト」は、マニュアルも完備しました。
事業所所長を集めての説明会、資金管理する経理部門にもその利用方を伝授して、完璧に出来あがっているはずなのに、、、、。
昨今やってきたコンサルタントから、「過去のリスト未収リスト出してみて。」と
何がおかしいのか集計作業を行うと「あれ、なんで???」
冒頭の言葉通り、「本当にビックリ」する穴が開いた資料が出てきました。
M社では、2ヶ月間料金をいただけない場合は、契約を解消するルールがあります。福祉サービスは、管轄のお役所のルールに従う必要があります。
それは、料金のほとんどが、税金でまかなわれているからです。
利用者から料金をいただけない場合は、管轄するお役所の窓口が違っている場合がほとんどです。
利用料金の額、よりも利用者の状況を把握していないことで、事業者としての資質も疑われかねません。
本当に福祉サービスが行われているのかさえ、疑われてしまいます。
単にもらえないからしょうがない、と自分たちが泣けばイイ話ではありません。
窓口は1割、お役所が9割を負担しています。
事実が違えば、この9割を変換する必要だって出てくるのです。
現場と所長と管理部門に意識の差があります。
現場の一般職員は、福祉サービスなのだから、困っている人をどんどん助けるのが仕事。お金はいや~。
所長は、自立して生活できるように、手を貸す・痛みを和らげるのが仕事。
集客は時間がない!
管理部門は、役所に提出する報告書類をきちんと照合して、とにかく役所からの苦情はいや~。
それぞれがそれぞれの仕事を一生懸命にしているのですが、面倒な部分をイヤ~と放り投げ出していた構図が、Tさんにも見えてきました。
社長は、そこを指摘したのです。
「集客」×「契約」×「サービス」×「資金の回収100%」→三方ヨシ
どこかがかけると、三方良しにはならないのです。
集客をやりたがらない所長がいたら、売上=0です。
お金の集金はしたくない職員がいたら、売上=0です。
文句の多いお客様・役所の話を聞きたくない管理部門だったら、売上=0です。
売上に関わる業務は誰もが協力し合うしくみにしないと、三方ヨシになりません。
Tさんは、業務基準書を作成しました。
業務基準書には、部門長までの全職務が記載されています。
職員がみても、所長、エリア長、部門長と職位が上がれば上がるほど仕事が難しくなっていくのがよく分かります。
次に、3つのワークシートを作りました。
1つは、過去の未収金を集計して他の書類と照合し、残高を確認する業務です。
2つめは、速やかに請求書を作成する仕組みと、回収口座の開設です。
3つめは、毎月の未収金回収ルールを徹底して報告する仕組みつくりです。
さらに、このワークシートを作業スケジュール表に記載して
①はじめる日
②集積方法と集積担当者→報告先のメンバーの名前、報告予定日
③報告様式…報告すべき項目
④完了予定日
を、決めました。
今まで、誰に何日までに、どういう形式で、まで決めたことは無かったのです。
問題意識をもってはじめるのですが、途中で忙しくなってしまえば、ウヤムヤに。
スケジュール表を確認しながら、「平行して進める形ですが、無理はありませんか?」とノグチが水を向けると、
「いえ、第一週に所長面談、このワークは同時進行できます。これが終われば、念願の売上アップ、5000万円作戦ですからね、楽しみにして下さい!」
と、元気な声が帰ってきました。
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