売上アップを制限しているのは、社長さん自身かもしれない?
「私自身が、お客様にはこれ以上の商品を売ってはいけない、お客様のお金をなくしてはいけない、と制限してきたようです。なにか売ることに罪悪感のようなものをかんじていたのですね。子供の頃は親からそんな制限をされていないのですが、結婚して主婦になった時点からかな~?」
衣料品販売を営んでいるM社長さん、女性です。
6ヶ月前、売上低迷で相談に来られました。
問題点を洗い出し、改善計画をたて、商品を絞り、単価を上げて、と時間はかかりますが、ステップを踏んで進んできました。
“進んだ”と感じたのは、言動・態度です。
自信に満ち・落ち着きがあって・お客様に伝えるべき事をきちんと伝える意志を、感じます。社長さんだけではなく、従業員さん達も同じように落ち着いています。
6ヶ月前、会社を訪問すると、応対した従業員さんは視線をそらし・伏目がち・声も小さい。
何でこの人がやってきたのだろう?またコンサルタントか?という視線に、こちらも構えて踏み込んでいった記憶があります。
この差はいったい何?
「お客様にきちんと伝えてなかったの、『あなたは、この服が似合う、あなたはこれを買うべきだ』って。おせいじではなく、心底自分が思っているのに。」
「理由は、もう一枚購入を勧めたら、レジで金額が上がることなの。私は相手のお金を奪うことになるのではないか、それが心配でしょうがなかった。」
そもそも、自社のお客様はどのような人かを発見する事から、今回のコンサルティングは始まりました。
最初にM社長さんが話した自社の客層は、地域の主婦層でした。
調べてみると、実際に購入しているお客様は、主婦かもしれませんが、より明確な特徴がありました。
年齢は65才前後、年金以外の収入源を持っている。一回の購入額は5万円前後。
周りと同じ既製の服では、イヤ。飾り気がないデザインだが、材質にこだわる。
お金に対する感情ほど、人様々なものはありません。
お客様より自分のお金に対する感情が優先してしまったのかもしれない。
そう、M社長が気付き出しました。
商売は「ゼロサムゲーム」ではありません。
M社長の店で商品を買えば、お客様が貧乏になるか?そんなことはありません。
M社長がお店で商品を売れば、同業他社がその分損失をこうむる、そんなこともありません。
世の中には、たくさんの「お金」があふれています。
グーグルは、2015年度売上 745.41億ドル、日本円約8兆円。
Facebookは、2015年度売上179.3億ドル、同じく1兆9千億円。
Appleに至っては、2015年度売上 2337.15億ドル、日本円約28兆円です。
日本の多くのお客様が、この売上に関わっています。
お客様にとって、買い物は「お楽しみ」です。
皆、買いたいのです。
売上をあげることは、お客様の役に立った証拠であって、他人のお金を盗んでいる訳ではないのです。
M社長の頭の中だけ、自分の会社が利益を得る分、誰かのマイナスになると思いこみ、お金に対する罪悪感が、「ブレーキ」をかけています。
お客様のためになる売上に「罪悪感」は必要ありません。
M社長の変化は、従業員にも伝わります。
価値・それに関わる価格をお客様に最初にお伝えする、すべき行動が明確です。
従業員さんも、迷いがないので、応対はスピーディーなのに落ち着きがあり、好感度が上がります。
お客様が明確になると、よりお客様の意向に添った商品開発が進みます。
こだわる客層に、一方的な商品提供は拒否されるだけ。
こだわる客層は、自分に寄り添ってほしいのです。
こだわる客層は、寄り添った分、お代は支払ってくれます。
客単価にハッキリと現れます。
M社長は、自分のお客様・こだわり層が求めているものを聞くことをはじめました。
お客様が求めているもの、それが自社の商品になる。
確信ができました。
タダ商品を売っているのではなく、本当に伝えたいのは、「豊かな生活の実現」
それを伝えるために、自分の豊かさも実現しなくては!
「お金」は、感情の想いがこもった数字です。
「じゃー、社長いくらを目標にするの?」
「年収3000万円!」
お金が、「制限」から、「やる気目標」に変わった瞬間です。
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