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知的財産の活用が広まらない理由~社長、利用率30%未満の特許群は流通を考えましょう!

SPECIAL

知財・ライセンスの収益化コンサルタント

株式会社 IPMaaCurie(アイピーマーキュリー)

代表取締役 

知的財産、マーケティング、マネジメント…を融合し、ライセンスによる収益を恒常的に得る仕組を創るコンサルタント。「見えない有益資産」である知的財産を見える化し、将来、億単位の収益向上に繋がる新たな収益力を引き出す独自の仕組みづくりに定評がある。

プレゼンテーション1

「後藤さんの本読ませてもらったんだけど、知的財産の活用を普及させるのなら、世の中にどんな知的財産があって、それがどれくらいの価格になるのかをデータベース化していかないといけないよね」

これは、ある会合で私の著作本ををご購入いただいた方からいただいたお言葉です。

ちゃんとお読みいただいたことに感謝するとともに、知的財産の活用に関する貴重なアドバイスをいただいたと思いました。

今回から3回にわたって、「日本で知的財産活用が普及しない理由」を私なりに話してみようと思います。

なぜこのテーマについて話をするかというと、そもそも知的財産を取得しても、それを活用するという状況・環境を作ることができなければいつまでも取得だけで終わってしまうことが続きかねないという危機感を私が持っているからで、知的財産を取得している企業の経営者の中にも(潜在的な部分も含め)同じ危機感を持っている方は多いのではないかと思うからです。

日本では、未だに知的財産の活用が普及していない状況が続いています。企業内では、防衛のみでいわゆる「死蔵特許」となっている権利が50%を超える会社がほとんどですし、ライセンスによる収益獲得も全く進んでいません。

この理由の一つには、前述のお言葉にもあった、「知的財産を売ろうにも、相場がわからないしニーズがどこにあるのかもわからない」状況であることが理由の一つです。

土地であれば、どこの場所、どういう環境の土地がいくらで取引されているかは少し調べればすぐにわかります。これは、土地の売買市場がすでに確立されていて、土地を買いたい人と売りたい人の意思が一致すれば交渉に入ることが可能な状態だということですね。

一方、知的財産は(少なくとも日本では)そのような取引市場がなく、基本的には相対取引です。また、日本国内には知的財産の流通も全く普及していない状態ですから、「いったい自分が持っている知的財産はいくらなのか?また価格がわかったとしてもその価格で買ってくれる人が本当にいるのか?」がわからないため、流動化が進まないのです。

知的財産も譲渡可能な動産ですから、充分売買できる価値があるにもかかわらず、です。

この状況を打破しなければなりません。

何とか知的財産の流通流動化を根付かせることも、今後の企業の業績向上・成長発展に不可欠であると私は考えています。

現在、弁理士会においてもこの知財の流動化普及に対し、どのように働きかけるかについて議論をしています。

知的財産を活性化し、流通流動化させるための環境つくりと市場形成、今すぐには難しいかもしれませんが必ず必要になってきます。

知的財産を保有しながら、その社内での活用率が30%に満たない企業の皆さまは、
一度「これらの特許を流通させることはできないか」を皆さまなりに考えてみてください。

 

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