持続的な成功をもたらす新規事業の発想法
「同業者の成功をパクってはいけない。でも考え方をパクる『 概念的模倣 』であれば、やっても良いのでしょうか?」
先日、あるところで投稿した文書で「直接的模倣」と「概念的模倣」の違いについて話をしたところ、閲覧者から早速質問が入ってきました。
閲覧アクセス数もかなりあったので、ここは少し掘り下げて説明したいと思います。
私は 『 直接的模倣 』 を発想する人や企業は、持続的な成長ができないタイプであり、『 概念的模倣 』をする人や企業は、持続的に成長できるタイプだとの見方で捉えています。
少なくても、『 直接的模倣 』が習慣づくと、ロクなことかありません。
成功モデルや成功パターンの依存症となり、真の自立が出来なくなってしまいます。
理由を説明するまえに言葉の定義をおさらいしましょう。
『 直接的模倣 』とは、牛丼屋が儲かっている!と聞けば、そのまま牛丼屋に参入する発想。
『 概念的模倣 』とは、携帯やインターネットの影響で、あらゆるものが高速化していだろうから摂食活動も高速化するだろう…と「高速」という概念を、食に取り込んで「持ち帰り総菜店」に参入する発想です。
成功モデルを模倣する発想は、すでにニーズが顕在化しているため、労少なくして売上に繋げて行く事が出来ます。
しかし、『 直接的模倣 』に限って言えば、社員を抱える中小企業が採用するのは、危険極まりない発想です。
(好きではありませんが、大企業など市場のリーダー企業にとっての直接的模倣は常套手段です)
賢明な方なら百も承知のことでしょうが、『 直接的模倣 』が行われると、市場は一時的に急成長 しますが、その反動で急速に陳腐化する作用も働きます。
この急速に陳腐化するなかで売上減に見舞われると、『 直接的模倣 』をした人や企業は極めて高い確率で対策を見誤ります。
なぜか…
それは、根源的な見方から言うと、パクリ思考が習慣づいているので自分の思考に自信がないからです。
また、『 対処 』 することが「クセ」となっているので、『 対策 』が講じられないからです。
パクりは、脳を退化させ、考えるチカラを奪います。
「なぜ、競合の商品は支持をされているのか…」「なぜ、あのヒット商品は支持されているのか…」を観察し “顧客メリットや利益“を洞察して、他に策はないか?と発想していく習慣が、概念的模倣力を上げていきます。
この概念的模倣力か身につけば、どのような環境変化が起きても生き残る知恵を生み出してくれます。
自ら市場を創り出す力がつき、同じ市場での成功モデルがなくても、自らの力で経営をすることが可能になるからです。
あなたは、類似市場や他分野のヒット商品が「なぜ売れているのか?」 顧客視点をもって分析・洞察する訓練を習慣づけていますでしょうか?
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