宣伝広告費100億円の価値
先日、大手家電メーカーのセミナーを拝聴してきました。
9年前から会員組織をつくり、毎年100万人ペースで会員を獲得、しかも、毎月、毎週アクセスしてくれるヘビーユーザーが多く、イベント開催の案内を送ると、熱心なファンが数百名、数千名来場されるとのこと。
これは地道な会員顧客づくり、ロイヤル顧客づくりの成果です。
■敷居の低い会員登録
一般に会員登録は購入客を対象に、次回リピート購入の際の手間を減らすために、個人情報を登録するというケースが多いのですが、こちらの企業では購入経験の無い顧客でも会員登録が可能です。
消費財を製造・販売している企業として、消費者の生活に入り込む情報提供に努め、しかも、毎日が楽しくなるように、様々なエンターテイメント系コンテンツも提供しています。
コンテンツも鮮度を維持するために、定期更新を繰り返し、ユーザーにしてみれば、毎回、新鮮なコンテンツがいっぱい。
会員数の増加がいまだに減少しない理由がお分かりでしょう。
■たった数人で100億円の価値
しかし、大企業だからといって大勢でコンテンツ更新しているわけではありません。
たった数人です。
その数人のコンテンツ更新を通じて、会員と直接コミュニケーションを重ねることによって、買い替えサイクル5~10年の商品であっても、会員は毎月、毎週サイトに訪れ、ロイヤル顧客は年に1回のイベントにも足を運びます。
広告代理店の試算によると、数人の社員と会員とのコミュニケーションは、宣伝広告費に換算すると100億円の価値があるとか。
宣伝広告費100億円分の価値を、社員の顧客関係性強化活動でまかなっているのですね。
多くの企業が、宣伝広告費を大量に投入し、見込み客発掘と費用対効果の改善に苦慮している中、このメーカーは数人の人件費だけで、顧客維持・拡大、販売促進活動を実現しているのです。
これが、会員制・ロイヤル顧客づくりの魅力です。
■顧客とのコミュニケーションに全社一丸で取り組む
会員登録数年間100万人、宣伝広告費換算して年100億円は、大企業特有の数字ですが、その100分の1を目指してください。
経営者が本気で、
「全社一丸となって顧客とのコミュニケーションを活性化する」
と宣言し、行動に移すことから始まります。
同業他社が取り組んでいないことに取り組んでこそ、強い競争優位性が生まれるのですから。
「顧客ロイヤルティこそ、最大の競争優位性」
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