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任せるのは、業務だけ。決定するのは社長の仕事です。

SPECIAL

10億ビジネスの経営数値成長戦略コンサルタント

株式会社ノグチ経理相談室

代表取締役 

同族会社の業績を、10億20億事業に成長させる「経営数値」コンサルタント。客数や客単価・生産性などの業績を現す数値と、財務諸表の数値とを統合させることこそ、同族企業の成長の根源であると、「儲かる社長が押さえるべき商売7つの数値の法則」として体系化。頼りになる指導と、評価が高い。

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「『任せた、任せた』と、いつも言うけど、社長が『この人に』と言えば誰も反対できないじゃないですか。」

「オレの意見は参考意見。参考までに、という事だ」

「でも女性はダメなのよね」

「彼女がダメなのではなくて、将来の体制を考えての参考意見です。」

社長室で父社長と娘総務部長で、営業経理部門の課長選任を巡って話合の最中

コンサルタントのノグチは、まず双方の意見を聞きます。

「机を並べていると、いろいろな発言が耳にはいるの。力があるかもしれないけれど、入社3年目でやめるやめる言う人と、10年間一生懸命やってくれる人、どっちが信頼できるかと言われたら、女性でも10年間一生懸命やってくれる人。」

「彼女が一生懸命やっているのは認めているし、彼がやめると言っているというのも聞いている。ただ、上役は責任を取らなきゃならないんだ、それはどっちかというと、オレは、彼の方だと思っている。」

「彼の家はこの近くの裕福な家庭で両親とも同居しているしね、やめるというのも、会社の中で自分のいる場所がはっきりして居心地よくなれば、だんだん言わなくなると思うんだ。そりゃ、人は投資だから思ったようにならない事もあるのだけど。」

「ほら、やっぱり決めているんじゃないですか。」

「いや、上司になる人の基準についての参考意見だ。」

娘取締役には、総務部門を統括してくれといいながら、父社長は社長室に入るなり娘には自分の意見を滔々と述べ始めます。他の幹部社員にはそこまでいろいろ苦言を呈さないのに、自分には上から下まで言いたい放題に聞こえます。

任せたと言われて、それならばと提案をすると、「考え方が違っている」と。

まるで説教!

石橋をたたいて渡るならともかく渡らないばかりか石橋たたいて壊してる!

確かに仕事ができる父社長で、業績は素晴らしいのだか、社長の自慢話を聞くばかりでは、だんだん自分が惨めになる。 

父社長からすると、イロイロ教えているのに、娘はただただ我慢していると、感じているらしい。

母親から、娘の心境をそう伝えられて、社長も困惑してしまう。

とかく社長業はムズカシイ。

 

多くの社長さんが、娘・息子に業務を順次引き継ぎたいと考えています。

スムーズな業務引き継ぎが、幸福な社長家族を現すステータスのようです。

事業承継が賞賛されるのは、幸福な家庭象を現すと感じるからでしょう。

父と娘の関係を、仕事ではなくて、家庭での親子関係を思ってみれば、

口やかましく文句を言ったら、娘に嫌われる」のは当然。

父と娘の関係を、会社内の社長と従業員の関係と思ってみれば、

あら探しはやめて、ほめて使わないと人(娘)はついてこない。」

父と娘の関係を、仕入れ先関連会社との関係と思ってみれば、

たとえ自分がお金を払う方だとしても、礼儀を守らないと関係は続かない。」

 

父社長ほどに業績を上げられるのであれば、娘や息子は惨めにはならないはずです。

売上が上げられないから、別な居場所を探して自分の権限を示そうと一生懸命です。

社長が任せたよ、と言っても任せてない事くらい古参の社員はよく知っています。

古参の社員は、社長の家族が、自分たちと同じように社長の意向を知っていると勘違いしています。もちろん社長も、「分かるはず」と過剰期待です。

父社長が、過剰期待を寄せるのは、娘総務部長は、パソコンを使えるからです。

世界と繫がって新しい仕事をしていく期待感があるのです。

自分が使えないパソコンで仕事を進める娘に感心し、憧れ、尊敬さえしている。

ただ、うまくほめる事ができないだけなんです。

社長が任せたのは、社長の決めた営業施策を実施して、社長の提示した目標に到達するよう従業員を管理し、鼓舞し、成長させる業務

「任せる=権限を一任する」とは、違いますが、やり遂げる力は認めています。

 

さて、目的に向かって意見を統合するのが、ノグチの仕事です。

「今回N工場に営業・経理部門を立ち上げるのが目的ですよね。

工場の経理責任者は、社長が任命した工場長です。担当者を新規採用するか、本社から移動するかは、最終的に社長と工場長が相談することですね。

さて、その前に、両名に協力してもらって営業経理の業務フローをマニュアルしませんか?このマニュアル化業務スケジュール責任者は娘総務部長さんにお願いしたいのですが、いかがでしょうか。」

「そうだ!営業経理部門のマニュアルを作ってもらおう!そうしないと彼女が辞めたらどうしようと、いつも不安だったんだ!」

女性には任せられないと思っていた社長の不安が、ハッキリしました。

娘総務部長は、社長が自分にも抱いている不安を感じ、社長が普段口にしない苦労を感じ取りました。

 

夢を実現する社長さんには、共に夢に向かう行動を一緒に続ける従業員さんが、います。一緒の行動を進めるにはマニュアルが欠かせないのです。

任せるのは業務、その業務をハッキリさせるのがマニュアル、夢を実現するには、マニュアルに画いた行動を数えること。数字を数えるから夢に近づくのです。

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