財務中心の会社づくりを成功に導くロードマップ
後継社長は、創業社長と違って、スタート時点から沢山の資産や負債を背負い、社員や家族の生活を守っていくという責任があります。したがって、これから社長になられる、あるいは社長になられて月日が浅い後継社長さんは、期待と不安でいっぱい・・・という方が大半を占めます。
しかし、「課題が沢山ある」ということは、逆に「成長の伸びしろが沢山ある」ことの裏返しとも考えられます。逆に、課題が見えていない社長ほど、成功の芽を自らの手で潰しているにすぎませんから、むしろ前向きに考えるべきなのです。
経営とは、言うまでもなく、答えがないところに解を求め、仮説検証を繰り返していくことでしか結果は得られません。だからこそ、成功の上昇気流に乗る社長さんは、常に「どうしたら成功できるのか?」を考え、最速で成功するために時間を買うという「投資思考」を持っています。そのような社長は、失敗を恐れず、仮に失敗をしたとしても仮説検証を繰り返すPDCAサイクルを早めることで、結果的に大きく成長発展していきます。そして、経営計画を、「社長のための権限掌握・統治戦略を叶えるツール」として活用します。
しかし、経営計画さえ単純に創れば良いという話ではありません。世の中には、経営計画に関する書籍や情報が多く出回っていますが、その多くが大企業向けのものだったり、あるいは、資金調達を目的としたものだったりします。したがって、それらのモノマネをしたとしても、「見た目は立派な計画だけど、実現されない・・・」「時間ばかりかかってしまって、作ることが目的になってしまった・・・」といった事態に陥ってしまうのです。大切なことは、あくまでも「同族会社の社長のための経営計画」をつくることにあるのです。
そうはいっても、経営計画を上手く活用して、成功の上昇気流にのる社長さんがいる一方で、なかなか上手くいかない社長さんもいます。そのような場合の多くは、会社も社長も知らず知らずのうちに「ゆでガエル化」してしまっている傾向にあります。全てにおいて思考回路が、「できない理由」を探すことに終始してしまっているのです。その結果、リスクをとって新たな取り組みをすることもありませんから、小さな失敗をすることもありません。しかし、実際のところは、目に見えないところで大きな失敗を犯してしまっているのです。
「どうやったらできるか?」という前向きな思考に則った経営計画こそが、財務中心の会社づくりを成功に導く重要なキーポイントなのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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