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前か後ろか?税理士と弁護士と社長さんの「相続」がビミョーに違う理由。

SPECIAL

10億ビジネスの経営数値成長戦略コンサルタント

株式会社ノグチ経理相談室

代表取締役 

同族会社の業績を、10億20億事業に成長させる「経営数値」コンサルタント。客数や客単価・生産性などの業績を現す数値と、財務諸表の数値とを統合させることこそ、同族企業の成長の根源であると、「儲かる社長が押さえるべき商売7つの数値の法則」として体系化。頼りになる指導と、評価が高い。

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「自分が経営する訳でもない会社の株式なんて、速く売って現金にしたいのに、この10ヶ月手許に現金は来ない、税金の支払いは来る、弁護士さんの請求書も来て、何がなんだか分からなくなってきて、困ってます。

顧問の税理士さんの紹介で弁護士さんにあったんですけど、先生同士で議論し始めちゃって、モー、、、、味方なんだか敵なんだか…?」

繊維業を営んでいたT社長さん、数年前事業を縮小したとお聞きしましたのに、事務所に相談に来たいと連絡が入りました。

新規事業かなと思いきやT社長さん、母親の相続問題のご相談です。

しかも、顧問税理士さんと弁護士さんの間で困っているというのです。

 

T社長さんにとって顧問税理士は長年の友達です。

先代の父親の相続申告もお願いしました。

会社の縮小に伴う税務事務処理も行っています。

うまくまとめてくれると思いました。

しかし、今回はちょっと違いました。

 

大したものはない、と高をくくっていた母親の相続。

ところがふたを開けたら、母親の資産は祖母から受け取った株式、その株式の評価を巡って何年も前からもめ事になっていたらしく、この案件には相続人ごとに税理士と弁護士がいて、なんとその母方の祖父が創った会社はまだ存続していて、税理士もいるのです。

経営者家族にとっての「相続」は大きく3つの問題として集約できます。

  1. 相続税対策  …  税金をどう安くする?
  2. 相続財産の分割問題 … 取り分はどうわけるの?
  3. 事業承継問題 …  うまく継いでもらいたい

 

世の経営者は、1.相続税対策を相続問題と考えている方が多くいらっしゃいます。

この相続税対策は、さらに2つの大きな方向の違う対策に分かれます。

  1. 相続税課税評価額を下げる= 評価減対策
  2. 相続税納税資金対策

 

社長さんの願いは、今の会社が座っている土地建物・自宅の土地建物預貯金、これらを「そのままなるべ~く安い金額(税金)で相続を終わらせたい

「そのまま」が最初にくるのは、自分の土地を売られたくないという人情です。

となれば、借金して建物を建てて賃貸して、評価減と言われる所作をして後世に財産を残してあげたいと考えます。

 

これは、今実権を握っている人の願う「相続」前の対策案です。

当然の事ながら、税理士は、今の社長の願望に添うのが仕事です。

多くの税理士が「相続税対策が得意です。」を商売のうたい文句にしています。

 

さて、財産の分割問題及び事業承継問題が発生するのは、その実権者がお無くなりになった後の問題です。

 

T社長さんの案件はこちら、今回の相続も実権者が亡くなって既に30年も経過しています。

経営には全く関与していない相続人が株式だけを所有し、現金はもらえないのに、納税は発生する、とても嫌な「相続」です。

巷のウワサでは、「財産があるのだから、そりゃしょうがないよね。」

ところが、上場もしていない古い会社の株式は、相続税がかけられる財産なのに、現金に換えることはおおよそ無理な財産なのです。

この株式をほしい人は、この会社の支配権を持っている現実の経営者。

あまり経営がうまくいっていないから、土地と建物の価格が株式の価格

変な制度ですが、土地を売れば株式はそれなりの金額になるのです。

 

だから、ほしいけど、ほしいとは言わない。

自分が居座って会社を名乗ってれば、他に買える人なんていないのですから。

この世のものは全てたくさんほしい人がいれば値がつり上がります。

ほしい人がいなければ、紙くず。

ところがココに2つの欲の目が出てきます。

 

相続人の一方は、株主の権利を行使してでも会社を精算させて現金に換えたい!

片や、いやいや、自分の会社だ!株式を買ってやってもイイが金額は低く抑えたい。

利害が対立する相続人にそれぞれに弁護士が選任されると、それはもう争族です。

 

加えて、税理士は、相続申告を期限内に清く正しく提出するのがプライド

「どうして、税務署を気にしないんだ!株式をどんどん高い金額にしたら、もっと税金が出るじゃないか!」

弁護士は、争いはず~っとやっていいのです。

裁判でも調停でも和解でも、株価が上がれば報酬も上がる

 

自分の代で手ばたき(精算して退職金をもらう)できる経営でいいとおっしゃっていた社長さんでも、息子に譲る年代になるととたんに、息子に低い税額で株式を異動させたいと思うのが親の心情です。

この心情は、会社の経営を相続でお国に邪魔されたくないという想いから来ています。心情をしっかりと遺言者に記載してがんばれよ!と後継者に伝える事をせずに

「タダ廉く」を税理士だ、弁護士だ、に話すと、

後継する息子には1/4 財産は女性に(妻と娘で3/4)引き継がれます。

 

T社長さんは、母親の相続も自分の相続も、ただ「いいように」では、成り立たない事がやっと分かったと話ました。

「縮小した会社について真剣に考えなくてはだめだ、ほおっておくと後世の恥だな」

 

会社の縮小・精算を何となく恥ずかしいことと考えている社長さんがいます。

でも、よくよく考えて下さい。誰にも迷惑かけていません。

会社の役目が終わったら整理する。

従業員にも自分にも退職金を払って整理整頓する。

社長という肩書きも、次にまた会社ができれば新しい社長業の始まり。

これは、ハッピーリタイアメント、新たなステップの始まりです

 

真の意味で事業承継をすべき会社として残すのか、

いやいやこの会社はハッピーリタイアメントできる会社として運営するか、

決める! 起業の第一ステップは、ここから始まります。

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