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会計事務所には料金表がないってホント?

SPECIAL

10億ビジネスの経営数値成長戦略コンサルタント

株式会社ノグチ経理相談室

代表取締役 

同族会社の業績を、10億20億事業に成長させる「経営数値」コンサルタント。客数や客単価・生産性などの業績を現す数値と、財務諸表の数値とを統合させることこそ、同族企業の成長の根源であると、「儲かる社長が押さえるべき商売7つの数値の法則」として体系化。頼りになる指導と、評価が高い。

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「ノグチさん、会計事務所の先生から請求書が来たのだけど、去年と同じ金額なの。これって、やっていることは去年も今年も同じ事だから?まさか去年の数字書き写してないわよね。」

不動産会社で経理を担当しているA夫人から、電話が入りました。

税務申告をお願いしている会計事務所からの請求書を見ての電話です。

「おかしい」と思ったなら直接電話すればいいものを、ノグチのところに電話するのは、何がなんだか分からない会計事務所の料金について情報収集したいためです。

会計事務所は、一度仕事を頼んで、そのまま毎年、という会社がよくあります。

稀に上場しようなどという場合は、上場を支えてくれる公認会計士に顧問を依頼する場合もありますが、創業時に会社を設立して以来ず~っと同じ事務所でという例もよくあるのが、会計事務所と中小企業の関係です。

関係が変わらない、のが常態になると、そりが合わない、経営助言がもらえないなど、不満があってもなかなか依頼を断れません。

嘘かほんとか、税理士を変えると、税務調査が入るという都市伝説さえあります。

税務調査の度に、顧客にこの話を説明する税理士がいます。税務署に隠したいことをやった経営者は、見つからないように、税理士を変える。

変えてもいないのに、今税務調査中だよね、と混ぜ返したくなります。

 

さて、大根や肉を買うなら鮮度も値段も品質も見比べるA夫人ですが、創業以来の会計事務所からの請求書は、他に見比べるすべがない、から困るのです。

相場も、定価も、内容も、どこの誰に聞いていいか分からない。

不動産業もバブルの時期はよかった、、のですが、今は鳴かず飛ばず、です。

一昨年たまたま一件土地の売買手数料が入って利益が出ました。

今年は低迷。でも税務申告の請求書は同じ。商売人の感覚だとちょっと不思議です。

料金は売上金額のように量に応じるものが普通だから。

 

聴いてみたいと思っても、社長は税理士先生にハイハイ言うだけで、「これ、請求書、払ってね。去年とおんなじだから」でおしまい。

平成14年3月まで税理士法により税理士報酬規定が定められていました。

でも現在は、ありません。法律の改正で、この料金規定はなくなりました。

料金は、つまり 税理士さんにゆだねられています。

 

国税局のホームページを見ると、日本には280万件の法人があります。

このうち70%強が、赤字もしくは繰越欠損取崩し=納税無しの法人です。

日本の税理士は、節税の名の下に、この膨大な赤字会社の群れを築きました。

 

会計事務所は、税金が出ない会社が好きです。

職員は、不案内な税金計算ができなくても、間違いを犯しません。

作業がギリギリになっても、どのみち納税がないのですから、資金繰りも不要です。

 

財務調査が入る会社は、儲かっていて納税資金もある会社です。

国税局の職員は優秀です。お金はとれるところからとる。世の中のルールどおり。

しかも効率よく取るには、大きく売上が上がった会社が狙いめです。

急に大きくなった、急に設備投資を行った、何でも急は、ミスが発生するのです。お金があってしかも一つのミスが多額になる会社が狙われます。

 

節税するとお金がなくなります。

経費が多くなって、利益が出ない、結果として税金が発生しない=節税です。

経費を100増やすと、税金は28減ります。お金は72ではなく100減ります。

 

パナマ文書に見えるように、人は税金がイヤです。

汗水垂らして稼いだお金を守ろうとして、節税をすると、お金がない会社になります。そんな会社が、どんどん出来上がっていきます。

数年たって、資本金もなくなってしまい、つぶれる会社になります。

儲からない会社の申告も儲かる会社の申告も、税務申告業務としては同じだけ時間も手間も智慧も必要なのかもしれません。

ただ、依頼する方からすれば、時価と書かれた寿司屋に入ってしまった気分。

ビジネスで仕事をする上での料金は前もってルールを表示してあるべきです。

それが売上や利益を計算する仕事であれば、そのルールはあって当たり前。

 

さて、おせっかいにもノグチは税理士さんに問い合わせてみました。

返答は

「そうでしたね、売上も利益も減っているのに、一昨年のままの請求でした。

経営の状態から考えて、ベースを現在の売上に合わせて、特別な手続きの料金は頂戴します。改めて請求書を出させてもらいます。ナーンも考えずに、前のまま出してしまったなあ。」

いい人ですね。日本の税理士さんです。

 

ビジネスマンが仕事を提案するときは、会社のパンフレットを提示して、料金表を見せ、意向に合えば、見積もりをし、期限を決めます。

やがて仕事が終われば、請求書を発行して代金を受け取る。それが普通です。

 

もちろん、料金表を提示する税理士さんはいますが、毎月同額ではないでしょうか。

税理士さんは、普通の仕事のルールがない国家資格なのでしょうか。

もしかしたら税理士さんは本当に国税局の手先なのかもしれませんよ。

 

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