最速で会社を成長させる方法
会社(事業)の成長には、2つのステージ(段階)があり、それぞれのステージで起こる課題は決まっています。そして、そのために必要な取組みも明確です。
各ステージではよそ見をせず、その必要な項目(仕組み)を一つひとつ構築すること、それが、『最速』です。
よそ見とは、社員教育に熱心に取り組むことや右腕を待望することです。
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一つ目のステージは、社長一人の職人型のビジネスから脱却し、組織として儲ける形に変換をする段階です。
この時の状況(課題)は、以下のものになります。
- 社長が売上げの多くを稼いでいる、実際は腕のいい職人
- 社員は社長の補佐業務、社員の入れ替わりも激しい
- 管理者を任命しても機能しない、数年で辞める
- 仕事は属人的で誰も替わりがきかない、、、経理業務、顧客の対応もその人が休むと対応できない
- 社員一人当たりの稼ぐ粗利高も年600万円と低い
- 総粗利高は、5千万~2億弱、社員数7名~20名
このステージで必要となる取組みは、大きくは「ビジネスモデルの構築」と「業務の横の流れの構築」となります。
このステージでは、集客から販売という営業業務を、主に社長や一部の人材で担っており、顧客は、そのサービスを買っているというよりも、その社長の腕を買っているという状態です。ですから、実はまだ正確には「事業」として成っていないのです。
きちんと、自社のサービスを売れる形にし、その集客から販売の流れを構築し、顧客がそのサービスに付くようにする必要があります。
また、その受注後の流れも、誰かが全体をコントロールしている状態です。各担当を分けても、業務のバトンリレーが上手に出来ないために、仕事量が増えれば、そのまま混乱が大きくなります。
社長や一部の人材が管理しなくても、情報やモノがしっかり流れるように整備します。
いずれにせよ、この構築が出来ていないと、売上げを増やしても、人員を増強しても、そもそもの仕組みが出来ていないので、混乱は拡がります。一時、売上げが増えても、すぐに元に戻ることになります。または、社長がより一層忙しくなるだけです。
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二つ目のステージは、組織で回すビジネスモデルは完成し、それをより大きく展開する段階です。
この時の状況(課題)は以下のものになります。
- 社長は現場を離れられているものの、組織として自走している状況ではない
- 各現場で日々の作業はこなしているが、課題の発見から修正・展開までの自主的な改善サイクルは回っていない
- 管理者が、熟練作業員で、機能しているとは言えない
- 経営計画書はあるが、実際には活用されていない
- 社員主導で、PDCAが回っていない
- 社員一人当たりの稼ぐ粗利高は年700~1000万
- 総粗利は3~7億、社員数は30名~70名
次を目指すには、完成したビジネスモデルを量産することです。年商5億が仕組みで回せてしっかり儲かるのであれば、それを4つの拠点に展開すれば20億です、10拠点つくれば、50億です。
また、より分業化を進めます。一人のスタッフが行う業務をより限定していくのです。
これにより、固定費率は小さく、業務効率を高めることができ、社員一人当たりの稼ぐ粗利高は1500万円を軽く超えることができます。(このタイミングで資金確保のための上場(IPO)の検討が可能になります)
そのために取組むことは、「管理職者を中心とした組織」の構築です。このステージの組織では、組織を経営層―管理職者層―現場層と3層を機能させることが重要になります。
それができないと、組織として「上からの指示や業務標準の徹底がされない」や「現場情報が上に上がらない」という問題が起きます。世に言われる組織病というものが出てきます、「変化への組織的な抵抗」、「部門間のセクショナリズム」、「顧客第一主義の喪失」。
それと、時間軸で組織を機能させる必要があります。
- ある店舗で起きたミスが、全体で共有されるだけではなく、3年後に入るスタッフにも共有される。
- 一つの導入した制度が、全体で速やかに施行され、毎年ある時期になれば、見直しがされ進化をする。
同様に、このステージでこの仕組みをしっかり構築しておかないと、拠点を増やせば、そのまま混乱を増殖することになります。そして、大きくなればなるほど、その問題は組織という名の前に見えにくくなり、変革も難しくなります。
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各ステージにおける課題も、そのためにやらないといけないことも明確です。やみくもに拡大をするのではなく、しっかり一つひとつその準備をすることが必要です。
そこには、社員教育も優秀な右腕も関係ありません、作るべき仕組みは決まっているのだから、それを淡々と作り上げるだけです。
近海で漁をするならそれに適した船があり、遠洋に出るなら、それに適した船が必要です。
その準備をすることです。それが「最速」です。
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