お金を残す社長の「決断」が早い理由
どんな業種・業界であっても、必ず良い時と悪い時があります。戦国時代の戦(いくさ)ではありませんが、好調な時は、好調な時なりの戦い方がありますし、不調な時は、不調な時なりの戦い方があります。したがって、自社の状況と周りの環境をイチ早く見極め、その上で経営判断を下すことが、社長にとって最も重要な責務となってきます。
会社にしっかりとお金を残し、その上で自社の未来を創るための事業投資をきちんと継続できている社長ほど、「決断する」ことの重要性を強く認識し、日頃からスピード感を持って行動することを自らに課しているものです。
自社商品の競争力が落ちてきたら、売上が落ちてきたり、粗利率が低下していったりして、その先の営業利益にも必ず異変が現れます。このような数字に表れる異変を敏感に感じ取り、日々の経営判断に活かしていく・・・これは社長にしかできない重要な仕事です。
例えば、自社の「利益」が既に頭打ちの状態にきていると感じるのであれば、その「利益」はあと何年持ちそうなのか、あるいは、その「利益」を最大化するために何か対策はとれるのか、そのための戦略は何なのか、徹底的に考え抜かなければなりません。
自社が置かれている立ち位置が、成熟産業であって今後の成長が見込まれないという場合には、当然、成長産業の方に軸足を移すことだって考えていかなければなりません。万が一衰退産業であれば、辞める決断も覚悟を持って下していかなければなりません。
しかし、その決断は、「早く」「正確な」ものでなければ、意味がありません。
社長は、早く正確な経営判断を下せるようにするために、日頃から、自社の損益計算書(PL)は読み解けるようにしておかなければならないのです。月次決算の段階において、部門別・事業部別・商品別の損益の状況がわかるようにしておくべきなのです。
つまり、「数字は切れるナイフ」という表現がありますが、財務中心の会社づくりをしておくことで、はじめて自社の強み・弱みを「見える化」することができるのです。
「攻める経営」「守る経営」「捨てる経営」の決断を早く正確に行うことは、社長にしかできない最も重要な経営判断であり、その日々の積み重ねが永続的成功繁栄に繋がるのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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