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お金を残す社長が知っている経理と財務の違い

SPECIAL

ダイヤモンド財務コンサルタント

ユメリアコンサルティング株式会社

代表取締役 

次世代経営者専門の財務コンサルティング機関。同族会社のオーナー社長・二代目社長に対して、経営基盤を頑強なものにする、「ダイヤモンド財務」の築き方を指導。

機構用

当社では、事業承継をこれから控えている後継社長さんや、事業承継を終えられた直後の後継社長さんからのご相談をお受けするケースが多いのですが、事業承継の過程において、多くの後継社長がある「思い違い」をしている場面に遭遇することがあります。

具体的には、先代社長から会社経営にまつわるお金の話の引継ぎを受ける時に生じるものです。例えば、先代社長から財務関連の話について引き継ぎを受ける段階になると、多くの場合、「会社のお金のことは、経理の○○さんが良く分かっているから、詳しいことは○○さんから話を聞いて・・・」といわれてしまうのです。

しかし、実際のところは、経理の○○さんが知っているのは、あくまでも『過去』のお金の動きであって、「今あるお金をこれからどう動かしていくべきなのか?」とか「これから会社のお金をどうやって増やしていこうか?」といった『未来』のお金の動きに関しては、全くもってワカラナイ話なのです。

つまり、後継社長が「経理」と「財務」の業務は、全く違うものであるということを認識しない限り、『未来』のお金の舵取りという経営者として重要な責務を、事実上、放置してしまうことになってしまうのです。

経理の業務は、「既に動いたお金の管理をすること(日々の取引の記帳・決算書の作成)」であり、視点は「過去」になります。経理の役割は、正しい記帳や、早くて正確な月次決算報告・年度決算報告が最も重要な役割となります。したがって、業務の性質上、どうしても視点が「過去」になってきます。

それに対して、財務の業務は、「これから動かすお金の管理(資金繰り・資金調達・計画策定など)」であり、あくまでも視点は「未来」になります。財務の役割は、日々のお金の流れを管理し、資金がショートしないように資金繰りを考え、財務基盤を強化しながら資金を創出するための意思決定をしていきます。さらに、必要に応じて資金調達の計画立案や金融機関との折衝をすることだってあります。思考の起点は、「いかにお金を残すか」であり、そのための意思決定を伴いますから、当然、経営者でなければその責務を全うすること自体難しくなってきます。

お金(キャッシュ)は、会社経営にとっての血液のようなものであり、財務は、事業永続のためのキーポイントになってきます。だからこそ、安定経営・永続的繁栄を願う社長は、人知れず財務中心の会社づくりをしているのです。

ダイヤモンド財務®コンサルタント
 舘野 愛

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