製造業以外の経営者に誤解しないでほしいこと
4月22日付けで 日本商工会議所が「中小企業のIoT推進に関する意見」と題した文書を公表しました。
A4で4枚程度なので興味のある方は、直接読んでもそんなに時間はかからないです。 興味深いのは、まず「日本商工会議所」が発信していることにあります。IT業界団体であったり、特定のメーカーによるものだと、「まあ、結局宣伝だね」と 思われることでしょうが、今回はそのような宣伝色は薄まるでしょう。
それなりに(といっては失礼でしょうが)発信力のある団体によるものです。 受け取る側(関係省庁でしょう)のなんらかのアクションも予想されます。
ところで、日本商工会議所の「意見」なのですが、どの程度毎年なされているのでしょう? サイトの公表情報に全て載っているとして、数えてみました。「意見」とあるものを数えてます。
2016年度 4件(4/22時点)
2015年度 11件
2014年度 11件
2013年度 10件
発信は年度初めと年度末に公表される傾向。 乱発というわけでもないですし、そこそこ絞っているようです。観光や雇用・労働政策とか再生エネルギーとかは何度か取り上げられていますが、 ITの活用については初めてかと。(マイナンバーはちょっとジャンル違いとして除外)
さて、意見書のポイントを引用します。
1:製造業分野の中小企業のIoT・ロボット等の導入・活用支援
2:中小企業・小規模事業者へのIT導入・活用支援
3:IoT推進に関する中期的な課題
3はここではコメントしません。1社の問題ではないので。2は特に目新しさを感じません。より拡充を求めるという旨のものです。
1が今回の主題になります。 その内容も引用しますが、
(1)導入・活用を支援する拠点の整備について
(2)IoTツールやシステム開発等への支援について
(3)IoT推進のための顕彰制度の創設について
ということです。 文書題は中小企業のIoT〜となっていますが、製造業分野向けの内容です。 従って内容にも「カイゼン活動」などの表現が見られます。 しかし、私からは度々紹介などしていますが、IoT等の活用に効果が期待できるのは製造業だけではありません。 他産業も多く活用できる用途があるのです。そして、カイゼン活動という言葉にも惑わされないでください。これも度々言っているのですが、カイゼン活動は現場から出てくる発想です。
IoT等の活用による真の期待効果は経営レベルのものです。カイゼン活動を否定はしませんが、本来は経営革新のための武器なのです。製造業以外の経営者が今回の意見書を目にして、「自社の武器」を「現場の武器」 に誤解しないことを願います。
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