クライアントからの信用を失う要注意キーワードとは
「相手に共感する」
出会った人との心の距離が縮まり、親しくなっていく過程で自然に行っていることでもあり、特にカウンセラーという職業においては、悩みを抱えているクライアント相手に必要とされる能力です。
クライアントが価値観と全く違うことを言ってきたとしても、それを一切否定することなくじっくり丁寧に話を聴いていきます。
カウンセラーにとって共感する能力は欠かせないのですが、細心の注意が求められる場面があります。
クライアントが今抱えている辛い出来事や心情を切々と語った後、
「先生ならわかってくれますよね」
「わかってくれますか?」
このように共感を求められることがあります。
クライアントからそう言われたものだから、クライアントの望み通り「わかりますよ」と答えてしまうカウンセラーがいます。
「わかりますよ」という言葉の何がいけないのかわかりますか?
表面的には、クライアントの希望通りに答えたので、一見何の問題もなさそうです。しかし、クライアントの潜在意識は違和感を感じ始めているのです。
「わかりますよ」という言葉が1回だけなら、ほんの少し違和感を感じて、自然に違和感が解消される可能性もあります。ただ、何回か「わかりますよ」という共感を示す言葉を使うと
クライアントもハッキリと違和感を自覚し始めます。
(私の細かい事情なんて、わからないはず)
(それを、「わかりますよ」なんていい加減なことを言うなんて、このカウンセラーは口先だけだ)
このように、一気に信用を失ってしまう可能性があるので、「わかりますよ」はかなり危険な言葉なのです。
もし、クライアントから「わかってくれますよね」と言われたら、どう言葉を返したらいいのか。
その場合は、次の表現を用いるといいでしょう。
「わかりたいので、もう少し詳しく教えてもらってもいいですか」
こういった表現であれば問題ありません。
カウンセラー自身がクライアントと似たような経験をしていたり、似たようなカウンセリングの事例があれば、「わかるような気がします。なぜなら・・・」という感じで言葉を繋げても構いません。
現実問題、他人のことは完全にはわからないのです。しかし、わからないからといって仕方ないとあきらめるのではなく、「わかってあげたい」という気持ちを持ち続けることが重要です。
「わかってあげたい」というカウンセラーの姿勢と気持ちが十分に表れていたら、クライアントの心に響いていきます。信用を失うどころか、むしろクライアントの信用度が高まるはずです。
例外もあります。例えば、悩みの相談ではなくて、もっとライトな会話なら全然大丈夫です。
「あの店のスイーツ美味しいよね」
「わかるわかる」
であれば全く持って問題ありません。
表面上の会話に囚われずに、相手の潜在意識がどう反応するかを常に考えておくことが大切です。ちょっとした表現で、信頼関係が一気に崩れることがあることを知っておかなくてはいけません。
普段何気なく発してる言葉を少し意識するだけでもクライアントの信頼度が高まり、それがリピート率向上、売上アップへと繋がっていくのです。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。