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あなたの工事単価は実際、高いのか安いのか

SPECIAL

下請工事業脱却コンサルタント

有限会社村松鈑金東京オフィス

代表取締役 

屋根の板金工事業で、完全自前受注体制を築き上げた異色の現役社長コンサルタント。稼業を継ぐも、下請けの理不尽さに憤慨。下請け脱却を目指して20年、工事業の直販体制づくりを実現。その貴重なノウハウを同業に惜しみなく公開指導する。

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いまだに収束しない熊本の大震災、中継映像を見るたびに心が痛みます。あの家屋の倒壊状況を見ると、神戸の震災以降の定説だった、重い瓦屋根の家以外の比較的軽く地震に有利とされているカラーベスト、金属屋根のお宅までが全壊してしまった事実に思い知らされ、屋根工事を営む弊社は大変衝撃を受けています。

今までお客様に耐震補強の話をすると「地震が来たら考えるよ。」とかよく言われますが、あの惨状を目の当たりにすると、その考えは単なる楽観的、「自分は地震が来ても死なない」という間違った考えであることを痛感します。建築に携わる人はきっとそう思ったと思います。

弊社として直接現地支援をすることは出来ませんが、せめて地元のお客様に対して、今後起こると予想される大地震の対策を屋根屋として真摯に提案していき一人でも多く命が助かる仕事をしていきたいと思います。

さて、今回は「あなたの工事単価は実際、高いのか安いのか」です。

弊社も下請工事中心だったころ、いわゆる工事単価に縛られ見積をしていました。この工事は平米いくらとか、M当たりいくらとかの相場工事単価です。これらを積み上げたものが元請建設会社に提出する見積になるわけです。

当然工事単価が高ければ、元請会社に叩かれ値引き要請によって見積金額からマイナスされてきたわけです。安くても仕事が取れなくてはと思い受注してきた。結果その工事自体赤字になったり、資金繰りが苦しくなったりしていました。

でもこの工事単価というのはそもそもどうやって決定しているのか。案外世間相場で決めていること多いのではないでしょうか?あなたの会社ではどうですか?

工事の単価とは本来、それぞれの会社の経営規模によって変えないといけないのに、相場がこれぐらいだからと言って安易に見積を作っていないでしょうか?

専門工事の多くは、材料費と施工費で構成されていますよね。だから、工事単価とは、材料費と施工費プラス利益と考えがちです。

でも実はもう一つ、一般管理費を加えること忘れていませんか?雨が降ろうが晴れようが、仕事があっても無くても関係なく出ていく経費の事です。

要はあなたの会社を維持する経費の事です。そこまでプラスしてないと本来工事単価など計算出来ないのです。だから自社の大きい、小さいによっても、請負う工事規模によっても本来高い安いは変わるものです。

これを忘れるから、不用意な値引きや、自社の経費を無視した単価設定になるわけです。はじめっから儲かりっこありません。

直販工事を中心に受注していく時もそこを抑えず、今までの世間相場単価でやるから初めから無理があるのです。

もちろんお客様に工事を安く提供すること自体は決して悪いことではありません。ただあなたの会社が必ず運営維持できる前提で。なぜなら建物は施工後も長持ちしなくてはいけないわけで、経年でメンテナンスも必要なはずです。そのとき、あなたの会社がなくなっていたらそれこそお客様に迷惑をかけてしまいます。

だからあなたの会社の最低必要な販管経費を材工プラス利益に加えること。

「あなたの工事単価は実際高いのか安いのか」それは会社ごとに違うということ。

そんなの当たり前だと思わなかった方以外は、すぐ今までの工事単価を見直ししてください。

 

 

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