出来る店長と出来ない店長の差とは?
ある会社の店長会に参加したときのことです。
「売上は前年比で87%でした。これは販促の効果が芳しくなく、既存客が減少していることが影響しています」という店長もいれば、「売上は前年比で117%です。リピーターへのアプローチをした結果、反応率が良かったことが貢献をしました」と発表をする店長もいます。
同じ会社で、同じ商品で、近接した場所で、出前・宅配をしているのにも関わらず、売上には大きな差が出ています。複数店を経営していれば、売上のいい店もあれば、利益の出ていない店もありますが、この差はどうして出るのでしょうか?
飲食店は店長を交代させるだけで、売上が60%以上伸びることは良くあることです。一説には店長を変えれば売上は2倍になるともいわれています。
これだけ差が出るのは、店長の実力の違いが大いに関係してくるのですが、いったい何が違うのでしょうか?
一般的には、実力のない店長にはいくつかの共通点があります。
1つめは、店が汚くても平気な店長です。
店頭には発泡のケースが置かれたままになっており、冷凍庫の中には食材が乱雑に置かれ、備品の管理や伝票の整理もいい加減です。お客様の目に触れるバイクも汚れたままになっており、デリバリースタッフの服装も乱れています。
店舗運営の基本的が出来ていない店が売れるわけはありません。こんな店長ならば、再教育をするか、解任をするべきでしょう。
2つめが、指示を守れない店長です。
会社からの指示事項や店長会で決定したことを実行出来ていない店長もいけません。部下に対しやるべきことを指示していない場合もありますし、店長の勝手な判断で指示を無視してしまうこともあります。
上司としては部下には厳しいことを言わなければならないときもありますが、「嫌われたくない」と思うあまりに部下に指示を出せないタイプの店長もいます。
また、店長会のときに叱責されるのを我慢しておけば、あとはやり過ごせると考えている店長もいます。こんな店長に限って、「人員が不足していて出来なかった」「他に優先事項があった」などと言い訳だけは一流です。
これを防止するためには、指示事項が出来ているかをチェックする体制を作ると共に、店長に対して正当な評価をすることが必要になってきます。
3つめが、現状を正確に把握できていない店長です。
今までの経験では、このタイプの店長が最も多かったと考えています。実力がないといっては失礼ですが、やる気もあって、仕事には一生懸命に取り組んでいるので、あと少しで実力店長として活躍できる素養を持っています。そのためには、現状を正確に把握する能力を身につけることを求められます。
冒頭の店長会での「87%の店長」がまさしくこのタイプです。既存客が減少していることには気付いており、既存客が減少したエリアにはチラシのポスティングをしましたが、売上は伸びていきませんでした。
しかし、どうしてそのエリアの既存客からの注文が減ったのか、までは考えていませんでした。
「117%の店長」は、既存客が減少したことに着目して、常連客と中間客、そしてまだ注文回数の少ない層に分けて現状を確認したことで原因を突き詰め、対策を立てていたことで売上が伸びていきました。
既存客の減少にしても様々な原因があります。ある事象が起きたときに、その原因となったことが何だったのかがわかれることが、現状を正確に把握することなのです。原因がわかれば対策は立てられます。
同じ事象が起きても、いろんな見方考え方があります。その見方を教えていくのが経営幹部の仕事です。まずは、店長に原因を探らせて、なぜそう考えたのかを確認した後に、対策を立てさせて実行した結果を分析していくことで、店長の力もアップし、その結果として会社の実力も上がっていきます。
あなたの会社では、現実を正確に見つめられていますか?
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