コンサルティングを値切ることより、もっと重要なこと。
コンサルティングを依頼する企業にとって、投資する金額は「安いにこしたことはない」と考えるのが普通でしょう。これは企業や経営者に限らず、誰にも共通することだと思います。
わざわざ高い料金を払いたいと思う人はまずいません。同じモノを買うなら少しでも安く、できれば可能な限り…と多かれ少なかれ考えるのが人の性というものかもしれません。これはこれである意味当然のこと。
ただし、「安く買う」ということに視点がいくあまり、本来の目的であるコンサルティング効果を損なうとしたら、これはまさに本末転倒と言わざるを得ません。ところが、こうした「あまりにももったいない」という発注ケースが、結構多いのです。
結果的に「コンサルティングが高くつく」最も多いパターンは、「コンサルタントなら、基本的に誰でも同じ」として、特徴のある内容を提示している先生の話を聞きかじり、それを地元の先生に伝えて、「できますか?」と打診したりするケースです。
「できますか?」とか「どうですか?」と聞けば、「大丈夫ですよ」と返事がかえってきたりします。しかし、「研修」のように、見よう見まねでできるものならいざしらず、「仕組みをつくる」ためには独自のノウハウが不可欠で、それはそのコンサルタントにしかできない…ということが大半です。
要するに、研修とコンサルティングの区別がまともについていない、ということであり、言い換えれば「社長なら誰でも一緒でしょう?」と言われていると考えれば、この判断の間違いに気付かされることと思います。
また、「目に見えないコンサルティング」を発注するとき、この本質をしっかり理解できていない人は、ついつい「形にこだわる」傾向が多く見受けられます。いわゆる分厚い資料というパターンです。
「そんなものにひっかからないよ!」と声が聞こえてきそうですが、はたして本当にそうでしょうか? 見た目の良さにすっかり騙されるとまではいいませんが、肝心の「儲かる仕組みづくり」の本質的価値をないがしろにして、調査資料などをもらって安心している…というのは、これは事業部長に多いパターンです。
物だけではありません。人も同じで、人はとかく「目に見えるもの」に安心しやすく、対価を払う習性がありますが、コンサルティングにおいて重要なことは、「投資案件」と理解しているかどうか…ということです。これから投資する「仕組みづくり」において、いったいどれだけの効果を期待できるのか…。これを発注する経営者がしっかり算段しているかどうかが最も重要ということなのです。
この算段なくして価格だけで判断すると、前述のような「とにかく安く」という意味不明の判断をしたり、変な形のものをもらって喜んでいたり、はたまた人員が増えているのにそれに気づいていなかったり…ということが起きたりする訳です。いわゆる安物買いの銭失い…ということです。
1千万円を投資しても、1億円、5億円収益を増やせる可能性が非常に高いとしたら、これは投資判断としては決して高くはありません。値切ることより、より確実性が増すために何をすべきか…。事前の経営的判断こそが、高い買い物をしない最も重要なことなのです。
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