継続的改善では、間に合わない事業とは
高度経済成長期の日本において、建設業は公共事業、民間投資の活況もあり成長のためには、なくてはならない産業でした。
現在、建設業がどのような状況にあるかは、他業種とはいえ、経営者であれば推察されるかと思います。
人がいない、後継者不足といった業種を問わない課題も勿論ありますが、ここでは生産性に目を向けてみます。
次の図は、全産業平均、製造業、そして建設業の生産性を比較したグラフです。
(引用元:建設業ハンドブック2015 一財)日本建設業連合会)
2013年の数値を見てみます。建設業は2,638円/人・時間。これは製造業の49%、全産業平均に対して61%の値です。
今回のコラムのタイトルの由来はここにあります。
日本企業が得意と言われる、継続的改善を否定はしません。しかし、それでは間に合わない事をこの数字は示しています。
若者に業界の魅力を訴えたりすることもまあいい。女性の活用ももちろん必要。
しかし根っこの問題はこの生産性の数値の劣悪さです。
長年、現場業務ゆえの「仕方ない」といったあきらめもあったかもしれません。ですが、もし現在の情報技術分野を活用することが出来れば、光明は見えてくるかもしれません。
そしてとうとう国も(公共事業発注主として放置できないのでしょうか)そのような対策を出しはじめました。
2015年12月に国土交通省が”i-Constructon”という名のもとに公共工事のスマート化を検討しています。
この中では、各業務プロセスを繋いで、共有化する仕組みを構築して生産性を上げることを狙っています。
興味がある方は、国交省のサイトに議事録がありますので参照されるとよいでしょう。ここで活用するキーテクノロジーはIoTです。国も課題は認識してはいたが、ようやく今の段階で手段を見つけたということかもしれません。
多重請負構造の業界で、末端の事業者にどのような効果があるのかは、今後といったところでしょうか。
経営者の皆様、御社の事業構造は継続的改善だけで本当に大丈夫でしょうか?
営業だけに目がいっていませんか?社内の”つながり”にも目を向けていますか?
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