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今すでに組織の中にある、輝かしい未来と恐ろしい地獄

SPECIAL

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート

代表取締役 

組織の成長加速を促し、業績躍進を実現させる辣腕コンサルタント。これまで130社以上の企業において、経営者のコンサルティング、経営幹部、経営リーダーの育成に携わる。組織とリーダーの成長段階を知り尽くし、経営者と同じ目線で語ることのできる希有なコンサルタントとして活躍中。

輝かしい未来か、地獄か――それは、今すでに組織の中にある

半導体、テレビ、パソコン、太陽光パネル。これらはかつて、日本が世界No.1を誇った製品群です。半導体以外は、コモディティ化技術の陳腐化新興国の技術力向上など、さまざまな避けがたい要因がありました。しかし、半導体の技術革新は今なお続いており、各国が覇権を争い続けています。日本もかつて、1990年代にその分野で世界を席巻していました。

30年前の当時から半導体は「産業の米」と呼ばれ、その重要性は今も変わりません。にもかかわらず、日本の半導体業界は凋落しました。私は、まさに世界No.1だったその会社に在籍していたので、その凋落の様子をつぶさに目撃しました。

あの当時、世界トップ企業だったその会社は、その後20年間にわたって売上が右肩下がりで減少し、20年で売上は半減しました。6兆円が3兆円になったのです。この間、何もせずに座視していたわけではありません。名だたる世界企業と提携し、著名なコンサルティング会社と契約し、20年間にわたり新しい戦略を実践し続けたのです。しかし、残念ながら売上げは下がり続けました。

数多くの戦略が生み出されましたが、それらは実行されませんでした。いや、むしろどれもが「実践できなかった」のです。仕組みも万全であったにもかかわらず、組織はその仕組み通りに動かず、仕組みを使いこなせなかったのです。

戦略も仕組みもあったそれでも20年間、組織は凋落し続けました。その根本的な問題は、世界レベルの戦略や仕組みを持ちながら、それらを「実践しない組織」であり続けたことにありました。


上場企業といえば、優秀な人材が集まっているはず。ではなぜ実践できなかったのか?

優秀な人々が集まっているのに、一体なぜ、どうして実践できなかったのか。この疑問には、実は深い盲点が潜んでいます。

よくある「隣の芝生は青い」理論のように、多くの企業は「実践できるかどうか」を社員の能力の問題として捉え、「もっと優秀な人材が来れば」と願います。しかし、それは本質を見誤っています。優秀な人材がいても、組織が「実践しない組織」であれば、結果は変わりません。

かく言う私も、組織の長としてポジションを任された当初は、実践する組織を作れずに悩み苦しみました。しかし、あるときからストレスなく実践できるようになったのです。その後、私がそのやり方を共有すると、周りの人々も同じように成果を上げ始めました。

難しいことは何もありませんやり方さえ知っていれば、誰もが実践する組織を作ることができるのです。


「指示が通らない組織」とは、「実践しない組織」――つまり「衰退する組織」です

これは、先日倒産した船井電機にも当てはまります。どれだけ戦略や戦術があったとしても、それが実践されなければ組織は成長しません。ただ、それだけなのです。


顧客ニーズに応える企業だけが生き残る

顧客ニーズは常に変化し、向上していきます。その変化に応え続けられる企業だけが繁栄を続けるのです。歴史上、顧客のニーズに応えられなかった企業で生き残ったものはありません。

顧客ニーズに応えられる組織、それは「新しい施策が常に実践される」組織です。しかし、人は変化を嫌い継続も苦手であり、指示に反発したりもします。こうしたことは、どこの組織でも同じです。人間である限り、変化を嫌い、継続が苦手で、素直に指示を聞けない人が大半であることに変わりはありません。

では、そんな組織に「新しい施策が常に実践される」文化を根付かせるには何が必要なのでしょうか?


未来を生み出す組織を作る 

リーダーが社員に「3分で終わる作業」を指示したとします。この3分間の作業が実行されなければ、30分や300分の作業が実践されることはありません。本日冒頭で紹介した店舗売上改善の事例でいえば、ポスターの位置を変えるPOPの配置を少し変えるホコリの溜まった場所を毎日拭き取る――これが「3分間の作業」です。

こうした小さな指示が確実に実行される組織でなければ、「新しい施策が常に実践される」などということはありません。高度な指示が確実に実施されるには、日々の簡単な作業指示が確実に実行されることが前提となるのです。

日常的に行われる小さな実践が、いざという時の本番対応力に直結します。


3分間の作業指示を完全に実践できる組織を作ること――それが未来を作る組織の大前提です

ところが、この「3分間の実践」すらできずに、どれだけ多くのリーダーが頭を悩ませていることでしょう。

リーダーと社員の価値観が大きく異なる場合、我流のマネジメントだけでは苦労が絶えません。こうしたときに必要なのが「マネジメント技術」です。背景も経験も違い、共通点の見つけにくい相手であっても対応できるのが、真のマネジメントです。

ここでもまずは、「3分間で終わる作業指示」が確実に実践されることが前提です。このマネジメント技術があれば、次第に組織が変わり始めることでしょう。


未来を自ら閉ざす組織ではなく、未来を自ら切り開く組織へ

そのために、組織内で当たり前にしておくべきことがあります。リーダー自身が「指示」をどのように捉えるのかが重要です。実践する組織を作れないリーダーが抱える大きな問題とは何か?次回、その点を解き明かします。

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