稼ぐための「事業未来図」は社長にしか描けない!
「髙窪先生、この「事業未来図」というのは、どのようなものなのでしょうか?何となく、イメージはできるのですが、先生の意図されているところを確認しておきたくて・・・」──とある中堅機械製造業の社長からのご質問です。
確かに、「事業」と「未来図」を合わせた造語ですので、それぞれの言葉のイメージから何となくイメージがわいてくるのですが、どのような意図でこの言葉を使っているかが社長として気になられたとのこと。
社員を引っ張っていく社長だからこそ、その言葉を使っている意図を正確に理解して、きちんとした成長サイクルに会社を乗せていきたいという気持ちからでたご質問だと理解しました。
我々のようなコンサルタントが、コンサルティングをさせていただく際には、この「言葉の定義」というものが非常に重要であり、会社のトップである社長をはじめとした社員全員に、「何のために(=目的(Why))」 、「何を目指して(=目標(What))」、「どのように達成するか(=手段(How))」を共有していかなければ成果が得られません。
このことは、経験豊富な社長であれば、当然ご理解をされていますので、重要だと思われる言葉の定義を確認するために、今回のようなご質問をいただくことが多いのです。
私からは、「社長として、ご自分の会社の事業を、5年後、10年後どのようなものにするのか、会社の未来を1枚の図に落とし込み、これから理想的な経営していくための羅針盤が、「事業未来図」です」と回答させていただきました。
「言葉の定義はイメージ通りでしたが、実際につくるのは難しいのではないでしょうか?言葉を選ばなければ、「絵に書いた餅」になってしまうような気がして・・・」と社長からさらにご質問がありました。
「さすが○○社長ですね。おっしゃる通り、「絵に書いた餅」になってしまっている事業計画があまりに多くて残念に思っています。ただの数字を羅列した事業計画や、経営理念、ミッション・ビジョン・バリューなどだけを示すだけで、実践されなければ意味がありません。」
われわれ中小企業では、5年後、10年後どのようなものにするのか、会社の未来が社長の頭の中だけにしかなく、「何のために(=目的(Why))」 、「何を目指して(=目標(What))」、「どのように達成するか(=手段(How))」が社員に共有されていないことがほとんどです。
事業未来図を描くことで、社長が5年後、10年後に目指している未来図を実現するために、不可欠な下記3項目を明確にするとともに、実際に社員が考えて行動できるようにします。
<主要3項目>
・「何のために(=目的(Why))」
・「何を目指して(=目標(What))」
・「どのように達成するか(=手段(How))」
ここで一番問題になるのが、明文化されていないことです。
社長からすれば、事ある毎に、経営理念やミッション・ビジョン・バリューなどを社員に口頭で伝えているからわかっているはずだと思いがちですが、口頭で伝えるだけで社員に徹底することはできません。
5年後、10年後の未来図を数字の羅列だけで示されても、具体的に目的、目標、手段などの考え方が示されていなければ、社員は動こうにも動けません。
「事業未来図」は、未来に向かって会社が進むべき羅針盤の役割を果たすために、主要3項目を中心にわかりやすく1枚の図にしています。
このため、実際に儲かる商売の仕組みづくりで、会社を回していくためのツールなどは、別添としてつくります。
商品・サービスの高付加価値化・高単価化、属人的でない営業体制の構築、運転資金の適正化、長期成長戦略など、きちんと整備することで、社長であるあなたが理想とする会社の未来像を描くだけでなく、全社員がそれぞれの持ち場で考えて行動することができるようになるのです。
このようなご時世ですので、これまでの想定と違うことが頻発しますが、外部環境の変化にも柔軟に対応できる稼げる会社づくりが可能となるので、臨機応変に対応することができます。
ここまでご説明したところで、「一般的な経営計画書とは、似ているようでいて、全くの別物ですね。お陰様で正しく理解できました。どうも、経営計画書は絵に描いた餅のイメージしかなくて、やりたくなかったので・・・」と社長からため息混じりのコメントをいただきました。
私のこれまでの経験でも、「一般的な経営計画書をつくったのに、実効性がなく、絵に描いた餅で終わってしまった」と嘆かれている社長さんが多いので、この社長のため息混じりのコメントはよく理解できます。
荒れ狂う大海原に羅針盤や海図を持たずに航海すればどうなるか・・・
もし、これまでにきちんと戦略を立てて会社を経営されていないのであれば、まさにこのようなことをしているのと同じで、あっという間に荒波に飲み込まれてしまいます。
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