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リモートとワーク

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

コロナ禍が3年程続いています。その影響で時計の針も一気に進み、「リモートワーク」が当たり前の世の中となりました。ただ、何でもかんでもリモートで…とは当然ながらなりません。コロナ初期は仕方がない部分があったかもしれませんが、個人的にはリモートとリアルの差が明確になってきたような気がしています。

ちなみに私の場合、一時期は経営者の方との面談やセミナー、集合研修などのほとんどがリモート化しました。当時は「これは便利だ!」と思い、個別の面談をはじめ、多人数の集合研修のやり方も研究し、新鮮な気持ちでかなり活用していました。しかしながら、今は一部の仕事で使うにとどまっています。

というのも、リモートはリアルと比べ相手から得る情報量が少なすぎ、結果的に相手の成果に結びつきづらいのです。単に講師から教えるだけの一方向型で簡単な知識・スキルに特化した研修であれば、リモートでも十分成果が出ると思います。

ですが、相手や自分の「深い理解」や「気づき」を得るようなやり取りをするには、リモートでは不十分なのです。コロナ初期こそ、「リモートで十分」と思っていたあらゆる仕事ですが、実際3年もたつとリアルではない弊害が感じられるようになりました。

画質や音質、通信状態がすべて良好な時はほとんどありません。相手の感情も読み取りづらい。相手がいる環境もわからない。リアルに比べれば、リモートの伝える力は5割もいかないのではないでしょうか。

もちろんどう感じるかは個人差があるでしょう。ただ、この3年の経験上、やはりリアルの方が何倍も成果が出やすいのは間違いないと思います。

つい先日、リアルでの集合研修を行いました。リモートでやる研修とは全く違います。同じ内容でも明らかに反応が見やすく、理解度が手に取るようにわかります。反応を見ながら適切な事例の紹介もスムーズにできます。

表情や声、視線、うなずきなどの動作、メモを取る音などさまざまな状況が複合的に起こっている中で場の雰囲気がつくられ、加えて集中モード、リラックスモードなどの波が現れ、まさに時間と空間を共にしている感覚を強く呼び起こされます。この「体験」が理解や記憶を強化し、感情が高まり、行動につながるのです。

さて、「リモートワーク」は、ともすれば「リモート」に目が行きがちです。本来なら「ワーク」を中心に据え、成果につながる行動をとる必要があります。この点、いかにリモート環境をよくするか、のような本末転倒な考えになると本質を見誤ります。

リモートでもできる仕事はありますが、実はほんの一部であり、しかも大半はリアルの時と比べれば成果が不十分だと私は思います。いかに快適にリモートするか、ではなく、自分が成果を出しているワークは何か、をはじめに考えるようにしましょう。あくまでもリモートは脇役で、ワークが主役なのです。

 

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