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ウィズコロナ時代、優秀な人材定着に必要な3つの重要視点

SPECIAL

業績を伸ばす、アクティブメンタル体制コンサルタント

株式会社ココティアコンサルティング

代表取締役 

これまで2,500件以上の労働者のメンタルヘルス相談を受け、対応・解決してきたスペシャリスト。独自の「アクティブメンタル」体制構築で、多くの企業を支援する専門コンサルタント。中小企業が業績を上げ、持続的に成長、繁栄していくために必要な、社員が心身共に健康でイキイキ仕事に熱中し、能力を最大限に発揮できる職場環境を作りあげるオリジナルプログラムとして、いま大きな注目を浴びている。

アクティブメンタル組織づくり

以前のクライエント企業で実際にあったことですが、その企業では所謂「優秀な人材」にばかり仕事が集まり、相当な負荷がかかっているという事態が発生していました。「優秀な人材」の定義は様々ありますが、この企業においては専門知識を持ち、経験があり、仕事も早く的確にこなせる人を示していました。最も重要だったのが、「専門知識と経験」でした。つまりは、人を育てて優秀な人材にするためには、この「専門知識と経験」は欠かせないものだったのです。

ですが、おわかりの通り、これらは時間をかけて様々な経験をしながら体得していくものです。ところが、その育成の時間を作ることができなかったのです。なぜなら、まさに「専門知識と経験」を持つ人材にばかり仕事が集まり、彼らには人を育てるという時間がほぼ無いに等しかったからです。

このような状況において、「優秀な人材」と呼ばれる多くの人たちは、しだいに疲弊し、無力感を感じていきます。仕事が集中するのですから心身共に疲弊するのは当たり前のことです。それだけではありません。本来ならば、自分以外の同僚や部下に仕事を覚え、経験を積んでもらいたいにも関わらず、その時間を十分に持つことができず、「自分は何のために仕事をしているのだろう」と考えることが増え、しだいに「無力感」まで感じるようになってしまったのです。

ここで経営サイドから、彼らのような「優秀な人材」に対する無理解と無理強いが続くと、彼らは黙って会社を去っていきます。あるいはメンタル不調になり休職に追い込まれることになるのです。

では、それらを避けるためにはどんなことが必要なのでしょうか。3つのヒントを挙げながら解説していきます。


ナナメの関係

意外に見落としがちなのが、ナナメの関係の重要性です。例えば、育成に関しては、直属の上司やチームリーダーからOJTなどを通じて実施されることになります。ですが、この直属の関係、つまり上下の関係で行き詰まってしまうと、全く機能しなくなってしまうのです。

普段から上司との折り合いが悪い、あるいは上司自身がコミュニケーションに何等かの課題を抱えているような場合は、このチームにおいて「知識や経験」の継承が上手くいかなくなります。

そのような場合、直属ではないが、隣のチームの先輩や管理職など、ナナメの関係を活かすのです。メンター制度などはこのナナメの関係を上手く活用する一つでもあります。

 

弱点をフォローしあう関係

チーム内の心理的安全性にも関わることですが、誰しも弱点や苦手なことがあります。経験を積むことで苦手意識がなくなる場合もありますが、「苦手なことを頑張る」、「苦手なことで失敗経験を積む」ことばかりが続くと、今の時代、「会社を辞める」という選択をする人も少なくありません。

この場合は、互いに苦手なことを理解しあい、フォローするという仕組みをつくることで、緩和されることがあります。実際に、相互理解を深めるワークショップを実践し、その後の育成に活かしているという企業もあります。

 

将来像を描いて共有する関係

これはキャリアデザインに通じることですが、「将来、どのようなキャリアを望んでいるのか」を上司だけではなく、チーム内でも共有するということです。この利点は、その将来像を得るために、今何をすべきか、何が足りないかを明確にすることが出来、個々のモチベーションにも大いに寄与することです。

特に「専門知識や経験」が必要とする企業や部署では、個々の人材が本来何を望んでいるのかを共有していることで、よりより人材配置や育成に活かすことが出来るのです。

 

まとめ

3つのヒントをお伝えしましたが、最も重要なのは「経営者がこれらの新しい育成の視点を持つ」ということです。直属の上司と上手くいかないからという理由でナナメの関係による育成を認めない、または弱点を克服することが成長だとばかりに苦手意識だけを冗長させてしまうと、これからの時代、「優秀な人材」を育成することも定着させることも難しいでしょう。

ウィズコロナの今、ポストコロナの今後、新規で採用することが難しいのであればなおさらです。今いる社員が成長し、定着するために人材育成の在り方、考え方を見直すべき時期なのです。

人が辞めない仕組みを「新しい発想・やり方」で構築する時期なのです。

 

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