第43号:目標設定の仕方で決まるミッションの浸透
いつも私の講演ではミッションの重要性をお伝えしていますが、先日の講演終了時、その話を聞いていただいた1人の経営者の方が、私のもとに名刺交換に来られてこのようにおっしゃいました。
「自分の会社にもミッションはありますが、ミッションを掲げているだけで全然浸透しません。どうしたらよいでしょうか」
そこで私が、御社ではどのように目標設定をされていますか、と質問したところ、このようにおっしゃいました。
「一応、年間の売り上げ目標は決めていますが、社員たちが売り上げばかりに走らないように、あまり数字の目標設定は意識させないようにしています」
この方のように、目標設定をすることを苦手とする中小企業の経営者はとても多いです。目標数字の話になると、社内の雰囲気が悪くなると言う話もよくあります。
しかし、目標の設定の仕方はとても重要です。にもかかわらず、目標設定をする際、経営者や幹部が「昨年対比何%の売り上げにしよう」というように、安易に目標設定をしている中小企業が多いです。
そうした目標設定の仕方は根拠がないため、目標達成のために全ての顧客を抱え込もうとしてターゲットが広がっていったり、全てのお客様のニーズを満たすために商品が増えていったりしがちです。そうなると、目標達成するために頑張れば頑張るほど、自社のミッションの存在をどんどんぼかしてしまうことになります。
私たちはミッションづくりの際に、「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを明確にしましょうとお伝えしています。
目標設定も「誰に」「どんな商品を」「どれぐらい」販売するのかということを明確にしておかなければなりません。
ミッションの浸透とは、自社の商品やサービスを購入していただく方を探すことではなく、自社の価値を提供したい人に、どのような商品やサービスを提供していくのかを、チーム全体で追求することです。
そのためにも、売り上げ目標だけではなく「客単価目標」「リピート率目標」「紹介数の目標」など、自社のミッション浸透を示す数字を目標設定とする必要があります。
お客様に自社のミッションを浸透させるために、お客様にどのような購買行動を起こしていただくことがお客様の問題解決につながるのか?そして自社の売上にもつながるのか?といった視点で目標を設定します。
自社の商品やサービスはどのようにして付加価値を上げていくのかということをイメージしながら、客単価や客数を明確にして目標設定を考えることがミッション浸透においてとても重要です。
目標設定の段階でしっかりと社員さん達と話し合い考えていくことが、ミッションが浸透した状態を理解させることにもなります。
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