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SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

「わが社は、とにかく既存顧客からのリピート注文に特化した営業手法で、この数年間順調に売上を伸ばしていますよ!新規開拓は効率が悪いですからね~。とにかく既存の掘り起こしが最優先です。」

先日、久しぶりにお会いしたある経営者のお話しです。これまで20年以上会社を支えてくださった多くの既存取引先…そのフォローや休眠顧客の掘り起こしがうまく進み、売上が順調に伸びてきているとのこと。キャンペーンやイベントを企画する際にも、この顧客リストが多ければ多いほど掛ける労力は少なくて済みますし、世間には営業マンの行き先や新規開拓のネタに困る会社が多くある中で、“行くアテがある”“早く売上につながる”…そんな既存顧客の存在は非常に有り難いものです。

先ほどの会社では、新たに入った営業マンはまず先輩に同行させ、御用聞きを兼ねたご挨拶まわりから始めるそうです。1ヶ月も経てば一人で歩けるようになり、少しずつネタを拾って歩くようになるそうです。これまで疎遠になっていたお客様にも、かゆいところに手が届くような細やかなサービスがウケてリピート注文につながる…そんな効果が数字となって表れているようです。営業という仕事に慣れていない新入社員でも、既に取引実績があり、ある程度の信頼関係がある既存顧客であれば、提案までの時間と労力は格段に少なくて済みます…が。

「それでは、新規開拓はどのように行っていらっしゃるのですか?」

とお聞きすると、

「新規開拓?…う~ん。多分、ほとんどが既存顧客からの紹介なんじゃないでしょうか?」

というお返事が返ってきました。

近年は売上目標を順調に達成していたため、その内容(顧客の分類や開拓手法、将来性など)にはほとんど触れたことが無かったのだそうです。不思議なもので、何事も状況が悪くなると様々な分析や検証を始めるものですが、物事が順調に流れている時には疑問を持たないケースが多いのです。

「今、好調な要因は何か?課題は無いか?この状態はいつまで続きそうか?」と、常に冷静に分析する視点を忘れずに持ち続けることが理想なのですが、先程の会社でも、今のやり方で結果が出ているためについつい面倒な新規開拓を後回しに考えていらっしゃるようでした。

この会社に限らず、新規開拓を嫌う会社は多くあります。その原因の多くは、「新規開拓は難しい、時間が掛かる、労力が必要」という思いから来るもののようです。確かに、新規開拓は決してラクではないし、効率が悪い、まずは既存で売上を優先という考え方は理解できますが、目先の結果につながらなくとも顧客開拓は必ず行っていかなければならないものなのです。なぜなら、それは未来顧客の創造であり、会社の成長発展を確実にしてくれるものだからです。

新規開拓を難しいものにしてしまう原因にはいくつかありますが、私は大きく三つあると思っています。

一つは、「新しい市場に向かう姿勢や心構えができていない」こと。そもそも新たな顧客との信頼関係構築はそう容易いものではないのです。断られて当たり前、いや、むしろ全ては断られてから始まる…くらいに考えるべきで、決して中途半端な気持ちではこの壁を越えることはできません。最後までやり抜く執拗さが必要です。

そして二つ目は、開拓すべきターゲット層やそれに対する手法・タイミングが具体的でないこと。目指すべきお客様は誰で、どこにどうやって向かうのか?その方針を固めておかなければ、せっかく取得できた情報を社内に蓄積することができず、次に活かすことができないからです。行き当たりばったりの飛び込み営業は心が折れるだけです。

最後に三つ目ですが、これは「社内の慣習」。昔からの顧客を回る営業スタイルや、常に誰かからの紹介に頼っている会社は少なくなく、確かにそれで売上が上がっているうちは良いのですが、既存のものだけに頼っていては、それが減少した分だけ会社の売上も落ちてしまうことを意味し、自分の会社でありながら顧客に経営の手綱を握られているような状況に陥ってしまうのです。新規開拓ができないことの重要性に気づかず、年々体力が落ちていくことは思っている以上に経営に重大なダメージを与えます。

経営者の皆さま。御社は新規開拓にどれだけ時間を割いていますか?ターゲットや手法は明確ですか?既存顧客や紹介だけに頼っていませんか?どんな業種や規模の会社であっても、常に新規開拓ができなければ事業を続けることはできません。会社にとって大事な源である“顧客づくり“は、事業発展の重要なカギを握っているんですよ。

 

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