営業の評価は「結果」と「プロセス」どちらを重視すべきか?
「営業マンの評価基準づくりを進めています。社内で議論するなか、プロセスと結果のどちらを重視すべきか意見が分かれているのですが、先生のご意見を聞かせて頂けないでしょうか?」
関与している企業のメンバーから質問されました内容です。
率直に申し上げましたが、この議論は滑稽と言わざるを得ません。
と言うのも、「プロセス」と「結果」を同次元で評価できるものではありませんし、どちらかに偏った思想は、中長期的にはマイナスに作用していきます。
分かりやすく例えると、世間知らずの女性が「私と仕事どっちが大事なの?」と旦那に詰め寄るのと一緒です。
仕事を大切にしなければ、満足のいく収入が得られませんし、結果家族を豊かにすることが出来なくなるのは、火を見るより明らかです。
賢明な大人の発する「問い」ではありません。
営業マンの評価に置き換えて、いま一度整理してみましょう。
営業が、受注を獲得し、成果を出すのはアタリマエのことです。
結果で評価される… しごく当然のことです。
しかし、だからといって《プロセス》は《結果》よりも重要ではないのでしょうか?
結果を出している営業マンが、他の営業マンとノウハウを共有せずに個人プレーばかり。後輩営業マンの育成にも無関心であったら…
組織全体の成果には、評価ができないのは、これもしごく当然のことであります。
会社の社会的責任は、ゴーイングコンサーン(継続企業)であるべきだと言われています。これは、会社というものを機能面から見ると合点がいきます。
会社は貴重な雇用の場であり、市場に対して、必要な商品やサービスを提供する生産活動の源となっています。
そのため会社が倒産しないように営まなければなりません。
その観点から見ると、売れている営業マンは、結果を出すためのプロセスを明快化する努力をし、後輩に伝えて行かなくてはなりません。
つまり、結果を出すのは今に焦点が当たった行動であり、プロセスを重視するのは、未来に焦点をあてたテーマに他なりません。
どちらも大事で、どちらが大事かを議論することは、壮大なる勘違いを生み出てしまいます。
それでも、結果よりプロセスが大事だ!と主張する売れている営業マンは「頭でっかち」であり、プロセスを明快にしない結果主義者は、言葉は悪いですが「ノータリン」と言わざるを得ません。
御社では、結果とプロセスどちらが大事だ! なんて不毛な議論は行われていませんか?
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