どこの会社もあいまいな…最終ゴールの判断基準
「どこまでやったら良いんですか?」
語気を荒げた女性社員から、このように詰め寄られた事がありますか?
営業職は、始まりはあっても終わりの無い仕事。新規開拓も、情報提供も、契約後のフォローも…ここまでやればOKよ!という線引きが無いのが特徴です。朝早く出勤して、夜は遅くまで会社に残り、外ではお客様に頭を下げ、会社に帰れば上司に怒鳴られる。月末を迎えて、何とか今月のノルマを達成したよ~とホッとしたのも束の間、翌朝目が覚めると次の月のノルマがドカッと肩に乗ってくる、この繰り返しです。回し車をひたすら走るハムスターのような毎日です。
また、このハムスター現象は数字のノルマに限らず、日常の業務にも及びます。少ない人数で営業している会社は、マーケティングも営業も顧客管理も事務作業も全て一人の営業マンがこなしている、というところも少なくありません。お客様に喜んでもらえる営業マンになりたい!と希望に胸を膨らませて入社したはずなのに、気づけば超!何でも屋社員になってしまい、何をしているのかわからない毎日。ちなみに、冒頭の女性社員とは過去の私のことなのですが…。
このような状態では、売上が伸び悩んでいる原因の究明や、お客様ニーズの変化の分析、未来へ向けた新しい発想などに全く意識が回らず、気がつけば10年もその場でクルクル…という事も。日々の営業活動をしながら顧客対応を続ける事は非常に難しいですが、これをやり続けなければ全てがストップしてしまうため、多くの人は「これではいけない…」というジレンマと闘いながら回し続けるのです。
新しい事を始めなければ、これまでと違った分野に挑戦しなければ、社内の仕組みを整えなければ、と頭では分かっていながら日々の業務に追われる毎日。もしかすると現場の営業マンは、未来を描くどころか、過去の失敗を反省する余裕も無く、ただ目先にぶら下がる仕事にしがみついているのではないでしょうか?
今の仕事を全てこなしながら新しい事を取り入れる…ある程度までは可能でしょうが今の体制のままでは無理があり、そう遠くない将来、必ず限界がやって来ます。これまでのただ何となくの延長体制から、明確な目的を持った営業体制にしていく必要があるのです。そのためには、まず、
「何を、どこまで?」
を明確にすることから始めてみませんか?
見込の無い客先にいつまでも訪問を続け、どの顧客にも一定以上のサービスにこだわり、大切な顧客だからといつまでも担当を譲らない…など。もしかすると回し車を忙しくさせているのは自分達自身なのかもしれません。
経営者の皆さま。会社を見渡すと、可愛い社員がグルグル必死に回り続けていませんか?いや、もしかすると社長自身も渦中の人なのかもしれません。回し車の上にいては、何十年経っても見える景色が今と変わりませんよ。
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