【個型】飲食店はアナログ時計のような経営!しかあり得ないとは?
ひとことに「外食産業」といっても、日本標準産業分類(総務省)によると、さまざまな分類があるのですが、ここでお話をする「外食産業」とは、その中から、集団給食、宿泊施設、機内食、テイクアウト業を除いた、いわゆる我々が想像している「食事をする場所(空間)と食事(料理)や飲料を提供するお店(バー・キャバレー・ナイトクラブ等を含む)」です。
その市場規模は、前記しました集団給食、宿泊施設、機内食、テイクアウト業を除くと、平成9年(1997年)の約20兆円をピークに右肩下がりになり、平成28年(2014年)では約18兆円になっております。
一般的な意見としては、市場規模はどんどん縮小していくとの事です。ですが、新規に開業したり、フランチャイジー(チェーン店の加盟店)になったりで、開廃業は、繰り返し行われていくことでしょう。それほど魅力的な産業であることは、間違えの無い事実であると共に10年20年と永きに渡り経営を続けていくことのできる店舗をつくることは、安易なことではないということです。
特に問題なのは、社長や事業部長(担当者)が店舗に入ることもせずに、知識として「知っているということ」のみを得て、さも「全ては、理解したぁ。」という態度で、単にお金を稼ぐ手段として、粗利益率が高いという理由で外食を選択したとしたらどうなるのでしょうか・・・?永きに渡り経営を続けていくことのできる店舗をつくることが、はたして出来るのでしょうか・・・?
会得するという言葉がありますが、これはまさに「知っているということ」と「できる」と言う事は全くもって違うということです。知識やノウハウを得て、現場で汗をかき、失敗をして、考え、さらに新たな行動を起こすということ。それなくして、成功する店舗をつくる。と言う事には無理があり、その「知っているということ」と「できる」と言う事の考え方の大きな溝を埋めなければ会得は出来ないと信じております。
ここに、私が現役でオーナーシェフを続けながら、【個型】飲食店専門のコンサルタントとして活動している理由(ワケ)があります。
経営は、昨日と今日は違います。今日と明日もまた違います。同じようなことを毎日しているのに、何が違うのかと言えば「現役で経営をしている人のみが、感じ得る風。」というものがあります。少々ご理解しにくいでしょうか?
これを先の{会得}という事例に当てはめるのなら、知識として「知っているということ」という回路を利用しただけの「デジタル時計」のような飲食店経営ではダメだと言う事です。表は液晶表示で明るくきれい、電源さえ入れておけば、数字表示で何時までも正確な時を示してくれる便利な時計なのかもしれません。しかし、私が思うには、少し前の時間や朝の時間の事を振り返るときやこれから先の予定を考えるには、デジタル時計ではとても解りづらいという点です。
知識やノウハウを得て、現場で汗をかき、失敗をして、考え、さらに新たな行動を起こすという、まさに『振り子時計』のごとく『ぜんまい式 時計』のような、放っておくと動きが止まってしまう、そしてそんな時計を見たときに、過去の時間に起こったこと・未来の時間に予定をしていることを瞬時に風のごとく感じ得ることのできる、針と文字盤で表示された「アナログ時計」の経営でなければ飲食店経営は務まらないと私は思っております。
デジタル時計は、とっても便利です。そのことを否定するつもりはありません。同時にデジタル時計のような知識として「知っているということ」だけで、現場を経験しない飲食店経営を全面的に否定をするつもりもありません。しかし、{時を正確に刻むだけ=過去の成功事例だけ}ではダメなのです。一秒一秒しっかりと、時を刻むがごとく直実に行動し、もし失敗をしてもその失敗事例の数より成功事例の数がひとつでも多くする活動ができれば良いのです。
ゆえ、デジタル時計のような飲食店経営は、【個型飲食店】の思考軸にはありません。
弊社が応援・サポートさせて頂くのは、あくまでアナログ時計のような飲食店経営を目指していらっしゃる方々や会社です。
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